兵站支援艦が並んだ横浜ND
7月13日の夜、横浜ノースドックに入港した陸軍兵站支援艦「ウィリアム・B・バンカー中将」。写真は7月14日の午後(24.7.14 星野 撮影)
「ブレホン・B・サマーヴェル大将」(左)と「バンカー中将」(右)の2隻の陸軍兵站支援艦が並んだ(24.7.14 星野 撮影)
この角度から見る限り、「バンカー中将」の車両甲板上には「積荷」は見当たらない(24.7.14 星野 撮影)
「サマーヴェル大将」の甲板上には、5月からコンテナが載せられたままだ(24.7.14 星野 撮影)
2隻の陸軍兵站支援艦が横浜ノースドックで並ぶのは、異例のことだ(24.7.14 星野 撮影)
兵站支援艦は、従来横浜ノースドックに「保管」されていたラニーミード級揚陸艇(LCU:中央)や小型タグボート(ST:右端の埠頭上に置かれた4隻)と比べて、
だいぶ大きな艦船であることが分かる(24.7.14 星野 撮影)
7月13日の夜、陸軍兵站支援艦「ウィリアム・B・バンカー中将」(LT.GENERAL WILLIAM B. BUNKER LSV-4)が横浜ノースドックに入港した。
「フランク・S・ベッソン・ジュニア大将」級兵站支援艦の4番艦である「バンカー中将」は、既に今年5月から横浜ノースドックに居座り続けている同級の兵站支援艦「ブレホン・B・サマーヴェル大将」(GENERAL BREHON B. SOMERVELL LSV-3)の隣に接岸した。
これまで横浜ノースドックに同級の兵站支援艦が2隻同時に並んで停泊したという記録は、見当たらないようだ。
米軍は今後なし崩しに、これを「当然」の光景にするつもりなのだろうか。
兵站支援艦「バンカー中将」は、「サマーヴェル大将」と同様にパールハーバーを母港としているが、今回、やはり「サマーヴェル大将」と同じように「オペレーション・パスウェイズ24」の支援のために東アジアの海域へとやって来た。
米陸軍がオセアニアから東南アジア、東アジアで「同盟国」と連鎖的に長期間演習を続ける軍事作戦だ。
今年5月18日にハワイのヒッカム統合基地を出港した「バンカー中将」は、横浜ノースドックにやって来る直前の7月11日には釧路西港を出港している。
矢臼別演習場で行われる米陸軍と自衛隊の日米合同軍事演習「オリエントシールド24」のための釧路への寄港だったのだろう。
「オリエントシールド」演習も、米軍にとっては「オペレーション・パスウェイズ」の一環という位置づけになのだろう。
釧路へは、ロケット砲ハイマースなどの兵器をはじめとする装備を陸揚げしたのだろうか。
7月14日の午後に、横浜ノースドックに停泊中の「バンカー中将」の車両甲板を見た限りでは、「積荷」は確認できなかった。
ところで、この兵站支援艦「バンカー中将」は2020年10月に那覇軍港に寄港しているが、それは94日間の連続した作戦航行の一環だった。
そして、この2020年秋の「バンカー中将」の行動は、米陸軍の船舶部隊の運用にとって大きな意味を持つものだった。
すなわち、この時の「バンカー中将」の作戦航行は、兵站支援艦を太平洋の西側の軍事行動で運用する実証訓練でもあった(U.S.ARMYホームページ2021年5月24日付記事「Watercraft Sustainment: Navigating the Indo-Pacific to Strengthen the Force」)。
そして、それを契機の一つとして、米陸軍は西太平洋の島々や列島線での作戦行動への陸軍船舶の投入と、揚陸艇部隊を始めとする陸軍船舶部隊の再整備を本格化させるようになったようだ。
(RIMPEACE編集部 星野 潔)
5月18日、「オペレーション・パスウェイズ24」の支援のためにハワイのヒッカム統合基地を出港する兵站支援艦「バンカー中将」
米軍画像サイトDVIDS記事「LSV-4 departs to support Operation Pathways [Image 3 of 4]」より引用
https://www.dvidshub.net/image/8430219/lsv-4-departs-support-operation-pathways
2024-7-15|HOME|