米陸軍長官、横浜NDの揚陸艇を視察
8月1日、横浜ノースドックで満艦飾になった2隻のラニーミード級揚陸艇。手前がキングスマウンテン。向こう側がカラボザ。
乗船タラップの付近の埠頭上には、青いテントが張られている(24.8.1 星野 撮影)
満艦飾の2隻が停泊していたのは、「みなとみらい地区」からは反対側の揚陸艇の「たまり場」。市民の目につきにくい場所だ(24.8.1 星野 撮影)
よく見ると、揚陸艇の艦上や周囲に迷彩服の軍人たちの姿が確認できた(24.8.1 星野 撮影)
8月1日、横浜ノースドックで揚陸艇に乗り込むウォーマス陸軍長官。
米陸軍第5輸送中隊フェイスブックより引用
https://www.facebook.com/photo?fbid=798821762441631&set=pcb.798824809107993
ラニーミード級揚陸艇の操舵室を視察するウォーマス長官
米陸軍長官公式X(旧ツイッター)より引用
https://x.com/SecArmy/status/1819032299432010126/photo/3
揚陸艇の横に張られたテントでスピーチをするウォーマス長官
いずれも米陸軍第5輸送中隊フェイスブックより引用
上、https://www.facebook.com/photo/?fbid=798823835774757&set=pcb.798824809107993
下、https://www.facebook.com/photo/?fbid=798823205774820&set=pcb.798824809107993
揚陸艇キングスマウンテンの横でウォーマス長官と第5輸送中隊所属と見られる軍人たちが記念撮影。
上空、風力発電の風車(ハマウィング)の横には2機編隊のヘリが写りこんでいる。機種は不明だがブラックホークのようにも見える
陸軍長官公式Xより引用
https://x.com/SecArmy/status/1819032299432010126/photo/1
8月1日、横浜ノースドックでキングスマウンテン(KINGSMOUNTAIN LCU 2025)とカラボザ(CALABOZA LCU 2009)の2隻のラニーミード級揚陸艇が満艦飾になった。
横浜ノースドックの揚陸艇が満艦飾になったのは今年2月8日の第5輸送中隊(揚陸艇部隊)の運用開始式典以来のことだが、2隻同時に満艦飾になったのは記録にないほど異例のことだ。
キングスマウンテンは、横浜ノースドックに陸軍揚陸艇部隊(第5輸送中隊)が新編された後、昨年12月に米本国から運ばれてきた揚陸艇で、カラボザは20年以上前に、横浜ノースドックが陸軍事前配備貯蔵(APS: ARMY PREPOSITIONED STOCK)の拠点になった時から横浜ノースドックに配置されていた揚陸艇だ。
カラボザは、7月28日まではコットン大橋に最も近い、陸地寄りにあるV字型の先端部分に係留されていたが、7月29日に、みなとみらい地区から見ると反対側になる揚陸艇の「溜まり場」に移動して、キングスマウンテンの左舷に接舷して停泊していた。
8月2日には、カラボザは7月28日まで係留されていた場所に再び戻ったので、「満艦飾」にするためにこの2隻がわざわざ並べられたことは明らかだ。
さて、8月1日にこの2隻の揚陸艇が満艦飾にされたのは、クリスティーン・ウォーマス米陸軍長官が揚陸艇部隊を視察に訪れたからだ。
米陸軍の陸軍長官公式X(旧ツイッター)によると、今回ウォーマス長官は、7月末から韓国、そして8月1日に日本、その後フィリピンを相次いで歴訪していた。
日本では防衛省を訪問し、防衛大臣や陸幕長とそれぞれ会談している。
その合間にわざわざ横浜ノースドックを視察し、揚陸艇に乗り込んで兵士たちを激励してみせたということだ。
視察直後には陸軍長官公式Xに、横浜ノースドックの第5輸送中隊の太平洋沿岸地域での重要性を強調する記事が投稿されている。
今回のウォーマス長官の視察について、一般のマスメディアにアピールした形跡はこれまでのところ確認されていない。
しかし今回の視察は、軍内部さらには国防総省や米政府に対して、陸軍として横浜ノースドックの揚陸艇部隊を重視していることをアピールする狙いを持つものだったのではないか。
なお、ウォーマス長官が視察したキングスマウンテンは、既に述べたように昨年12月に米本土から横浜ノースドックに運ばれてきた揚陸艇だ。
今回、陸軍長官の第5輸送中隊視察において満艦飾にされて視察の対象として使われたということは、このキングスマウンテンはやはり、横浜ノースドックに「新編」された揚陸艇部隊に配備された船舶だということだろう。
ということはつまり、昨年4月14日に防衛省が横浜市に送付した文書「横浜ノース・ドックにおける小型揚陸艇部隊の新編時期について」に書かれていた「新編に伴う船舶の増加なし(横浜ノース・ドックに配置済の船舶を使用)」という説明は、デタラメな嘘だったということだ。
横浜市長と基地対策課は、市と市民を愚弄する防衛省の行為に強く抗議して、新部隊配置の即時撤回を要求すべきではないか。
(RIMPEACE編集部 星野 潔)
8月1日の15時50分頃、横浜ノースドックに飛来した陸軍ブラックホークヘリ。ウォーマス長官の送迎のためだろうか。
横浜ノースドックには飛行場もヘリポートも存在しないため、日本の国土交通大臣の許可を得なければ、航空法に反する行為である。
なお、手前には、ハンビーを積んだトレーラーが走っているが、このハンビーは那覇軍港から7月31日の夜にやって来た高速輸送艦グアムが運んできたものだ(24.8.1 星野 撮影)
横浜港上空のヘリコプターとみられる機内から、横浜ノースドックのある瑞穂埠頭を見下ろすウォーマス陸軍長官
陸軍長官公式Xより引用
https://x.com/SecArmy/status/1819032299432010126/photo/2
この日は、横浜ノースドックとキャンプ座間を結ぶと見られるバスが、普段よりも多く運行されているように見えた(24.8.1 星野 撮影)
このバスは、厚木市内に本社営業所がある民間会社のバスだ(24.8.1 星野 撮影)
視察が終わったようで、満艦飾の取り外しが始まった(24.8.1 星野 撮影)
8月2日には、揚陸艇カラボザは7月28日まで係留されていた場所に戻っていた(24.8.2 星野 撮影)
2024-8-3|HOME|