横浜NDに高機動ロケット砲
横浜ノースドックに並べられている3台の高機動ロケット砲ハイマース。こちらから見て1台は横向きに、2台は縦に置かれている(24.8.30 星野 撮影)
3台の高機動ロケット砲は、他の軍用車両とともに「515」の建物の後ろに隠すように並べられている(24.8.30 星野 撮影)
対岸の「みなとみらい地区」の臨港パークからは、このように見える。ハイマースが並べられているとは気づきにくい(24.8.29 星野 撮影)
ハイマースが並べられているのは、赤い丸をつけたところだ。2020年1月にはこの場所に、オスプレイが1機、置かれていたこともあった(24.8.30 星野 撮影)
8月12日頃から、横浜ノースドックの埠頭上に、M142高機動ロケット砲システム(The M142 High Mobility Artillery Rocket System)、ハイマース(HIMARS)と呼ばれる米軍の多連装ロケット砲が置かれている。
ハイマースは、トラックの後部にロケット弾やミサイルの発射装置が取り付けられた、自走での高速移動ができて、軽量で空輸も容易で、なおかつ長距離攻撃ができる、米陸軍や海兵隊の最新兵器だ。
ウクライナにも供与されて、ウクライナ戦争でも使用されている。
今回、この高機動ロケット砲が8月12日にまず少なくとも1台、横浜ノースドックに現れたと見られ、米軍が付けた建物の番号でS-515の建物の後ろに、他の車両やコンテナとともに隠すように置かれていた。
これを米軍はどうするつもりなのかと注視していたところ、8月29日になってさらに2台が追加されて、少なくとも計3台がS-515の建物の後ろに並べられるようになった。
3台になって、並べ方が少し大胆になったようにも見える。
これらの高機動ロケット砲がどこから搬入されたのか、あるいはもしかしたら横浜ノースドックの建物の中に以前から隠されていたのかなどは今のところ不明だ。
7月28日から8月7日まで、大分県の日出生台演習場などで米海兵隊と陸上自衛隊の合同軍事演習「レゾリュートドラゴン24」が行われたが、この演習に米海兵隊がハイマースを持ち込み、陸上自衛隊員にその使い方をレクチャーしている写真が、米軍画像サイトDVIDSに複数掲載されている。
この「レゾリュートドラゴン24」が終わった時期と、横浜ノースドックにハイマースが現れた時期は近いが、その関係は不明だ。
横浜ノースドックに現れたハイマースが、「レゾリュートドラゴン」とは無関係な別の場所から運び込まれたものである可能性も十分にあり得る。
民間港のど真ん中の基地に持ち込んだこれらの高機動ロケット砲を、米軍はどうするつもりなだろうか。
高層ビルの市庁舎から横浜ノースドックを定期的に目視しているはずの横浜市、そして神奈川県は、横浜港のど真ん中に高機動ロケット砲を持ち込んでいることについて、米軍に抗議するべきではないか。
そして、実弾は装填されているのかいないのか、弾薬等爆発物の扱いはどうなっているのか、ハイマースを横浜にこのまま配備するつもりなのかなどを直ちに確認すべきではないか。
(RIMPEACE編集部 星野 潔)
横浜ノースドックの「515」番の建物の後ろに、隠すように軍用車両などが並べられたのは8月12日のことだ(24.8.12 星野 撮影)
当初は、軍用車両やコンテナとともに1台、ハイマースが置かれていた(24.8.18 星野 撮影)
赤い丸を付けたところにあるのがハイマースだ(24.8.21 星野 撮影)
対岸の「みなとみらい地区」の臨港パークからは、ごく限られた角度から、車体と発射装置の一部が見えるだけだった(24.8.19 星野 撮影)
8月29日になって、新たに別のハイマースも「515」の建物の後ろに搬入された。30日に確認したところ、ハイマースは3台になっていた(24.8.29 星野 撮影)
2024-9-1|HOME|