座間ホーク、2機で横浜NDに飛来


9月20日16時過ぎ、横浜ノースドックのグラウンドに並ぶ2機のブラックホークヘリコプター(24.9.20 星野 撮影)


少しわかりにくいが、青い丸を付けたところに1機、赤い丸を付けたところに1機、計2機がローターを回して駐機している(24.9.20 星野 撮影)


3階建ての建物に近い方に駐機していた方が、先に離陸して赤坂プレスセンターに向かった機体だ。
横浜から東京に行くためにわざわざヘリを使うとは、軍の予算の浪費が許される「えらい」人物が来ていたということだろうか(24.9.20 星野 撮影)


バックネット前のこの機体は、離陸してキャンプ座間に直接向かった。
とはいえ、横浜から座間までヘリで行くとはこれまた贅沢な話だ(24.9.20 星野 撮影)


ノースドックを飛び立ってキャンプ座間に向かったブラックホーク(24.9.20 星野 撮影)


飛び立ったブラックホークは、今回は周回飛行訓練などはせず、早々に高度を上げて目的地に向かった。
軍の幹部あるいは「要人」の輸送が今回の飛来の目的だったのだろう(24.9.20 星野 撮影)

9月20日16時過ぎ、横浜ノースドックに2機の陸軍UH-60ブラックホークヘリコプターが並んでローターを回して駐機していた。
キャンプ座間所属のザマホークだ。
2機とも、航空機の位置情報放送システムであるADS-B(Automatic Dependent Surveillance - Broadcast)の位置情報の送信を、横浜ノースドックを飛び立つときに開始した。
ADS-Bの位置情報によれば、2機のブラックホークのシリアルナンバーは、「96-26696」と「96-26703」だ。

まず、シリアルナンバー「96-26696」の機体が先に、16時16分にノースドックから飛び立った。
この機体は北上し、16時22分頃には東京都世田谷区上空に到達した。
さらに、世田谷区の宮の坂や梅ヶ丘の上空付近で徐々に東に向きを変えて山手線の内側に入り、16時25分に陸軍赤坂プレスセンターに着陸した。
その後、16時29分に浮上し、西に向かい、山手線の外に出ると、小田急線に沿ってキャンプ座間へと飛行した。
山手線の外側に出た後、狛江付近までは、まさに小田急線の線路の上をなぞるように飛行した。
そして、16時41分にキャンプ座間に着陸した。

他方、シリアルナンバー「96-26703」の機体は、16時18分に横浜ノースドックを飛び立った。そして、北西の方向に進んだ。
その後、川崎市北部の新百合ヶ丘の手前まで飛行したところで方向転換し、町田市上空を経由してキャンプ座間に16時29分に着陸した。

このように、今回横浜ノースドックに飛来した2機のブラックホークは、横浜ノースドック離陸後、周回飛行などはせず、早々に高度を上げて飛び去った。

今回の横浜飛来の目的は訓練ではなく、要人あるいは幹部の軍人の輸送のためだったのだろう。
とは言え、日本の国土交通大臣の許可を受けていなければ、空港でもヘリポートでもない横浜ノースドックへの飛来は、航空法第79条に反する行為だ。
国会での答弁で日本政府は、米軍は日本の航空法を尊重して飛行していると答弁している。
国権の最高機関でそのように答弁しているのだから、航空特例法の規定がどうであれ、日本政府は米軍に日本の航空法を守らせなければならない。

今回に限らず、米軍のフェイスブックの写真などを見ると、米軍は、横浜ノースドックへの交通手段としてヘリコプターを臆面もなく使っていることがうかがえる。横浜ノースドックへの飛来を隠す様子も見られない。
残念ながら米軍は、日本の航空法を守る気などないようだ。

再度言うが、日本政府は米軍に航空法を守らせなければならない。
まずは日本に、「法の支配」を取り戻さなければならない。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


駐機している2機のブラックホークの近くには、米軍消防車が待機していた。米軍も、飛行場ではない横浜ノースドックへのヘリ飛来の危険性を認識していることを示しているのではないか。
とりわけ、2機並んでの飛来だ。とても危ないことは自明だ。米軍も危険だと分かっているのなら、日本の航空法に違反する飛来をやめるべきだ(24.9.20 星野 撮影)


2024-9-30|HOME|