横浜ND陸揚げのオスプレイ、横田基地に向けて離陸
6月5日の14時40分過ぎ、横浜ノースドック先端部近くから離陸したCV-22オスプレイ。最初垂直に離陸し、周囲の照明灯の高さほどに達するとしばらく静止した(25.6.7 星野 撮影)
やがて一旦機体を右向きに動かした(25.6.7 星野 撮影)
その後機体の向きを戻すと、前進と上昇を開始した(25.6.7 星野 撮影)
港の上空を低空飛行するオスプレイ(25.6.7 星野 撮影)
火力発電所や貯油施設の近くで機体を傾けて旋回するオスプレイ。安全への配慮など微塵も感じさせない飛行っぷりだ。
オスプレイのすぐ後方に見える大きな煙突は東京電力横浜火力発電所の煙突だ(25.6.7 星野 撮影)
京浜工業地帯上空で旋回するオスプレイ。向こうには羽田空港も見える(25.6.7 星野 撮影)
市街地上空を転換モードで飛行するオスプレイ。
あれ?オスプレイは「通常,ほとんどの時間を固定翼モードで飛行する」のが日米合同委員会の合意だよね?それが安全対策の基本だったはずだよね?(25.6.7 星野 撮影)
横浜市神奈川区内で読者が撮影した画像。やはり市街地上空を転換モードで飛行している(25.6.7 読者 撮影)
2012年9月19日、日米合同委員会合意「日本国における新たな航空機(MV−22)に関する合同委員会への覚書」(仮訳)より引用。
この合意は同じ構造の機体のCV-22にも適用されているはず(25.6.7 星野 撮影)
6月7日の14時40分過ぎ、横浜ノースドックの埠頭先端部近くから1機のCV-22オスプレイが飛び立った。
飛び立ったのは、6月5日に横浜ノースドックに陸揚げされた機体だ。
横浜ノースドックを飛び立ってから約10分後の14時52分頃には、横田基地に着陸した。
横田基地に行ったということは、やはり、2023年に墜落した機体の補充のための搬入だったということなのだろうか。
今回のオスプレイの横浜ノースドックからの飛行について、6月6日の夜に南関東防衛局から神奈川県に対して、6月7日の正午から13時までの間に離陸予定との情報提供があったという。
確かに「正午から13時までの間」に離陸できるよう、CV-22オスプレイは午前11時頃には、車両に牽引されて建物の影から埠頭先端部近くの「広場」に引っ張り出されてきた。
しかし、それからが長かった。
モタモタしているうちに13時はとうに過ぎ、13時40分頃になってようやくローターを回し始めた。
ところが3分ほどするとローターを止めて。複数の兵士が機体の上部に慌てて上がって両翼の付け根部分で何やら緊急の整備のようなことを始めてしまった。
それが一段落すると今度はヘリモードにしていたナセルを横向きの水平飛行モードに倒して、右側のローターの羽根の一つの先端部に複数の兵士が集まってやはり何やら整備作業を行った。
そうしたドタバタを終えて、ナセルをヘリモードに戻して、ローターを回して飛び立ったのが14時42分頃のことだった。
予定した時間通りに飛び立つためにオスプレイを引き出してはみたもののなかなか準備が進まず、ローターを回してみたら不具合が見つかって急遽修理をして、予定よりも2時間ほど遅れて飛び立ったということだろうか。
「本当に安全なのか?」と不安をさらにかき立てさせるに十分なモタモタぶりだった。
横浜ノースドックにオスプレイを陸揚げした目的も、いわんや陸揚げする事実自体も、市民や自治体に一切知らせないまま、今回のオスプレイの横田基地への搬入は行われた。
神奈川新聞の報道によれば、オスプレイの横浜ノースドック陸揚げを知らされていなかった神奈川県や横浜市は、情報提供や「当該オスプレイの運用に関する万全の安全対策」「市街地上空の飛行を極力避ける」ことなどを求めて、6月6日に南関東防衛局に要請を行ったという。
しかし、要請などお構いなしに、6月7日に横浜ノースドックを飛び立ったCV-22は、工業地帯や市街地上空を横田に向けて飛んでいった。
今回どのような「万全の安全対策」をとったのかも示されなかった。
2023年に横浜ノースドックに搬入した機体が同年11月に屋久島沖で墜落したことを、忘れろと言わんばかりの傍若無人な危うい態度だ。
そもそも横浜ノースドックは飛行場でもヘリポートでもない。そのような場所での離着陸は航空法第79条によって禁止されている。
確かに航空特例法は、この第79条も含む航空法第6章の規定は、日米地位協定や国連軍地位協定にもとづいて運用される航空機やその乗員については「政令で定めるものを除き、適用しない」としている。だが、日本政府は国会答弁で、米軍は日本の航空法を尊重して活動している旨を何度も答弁している。
国会は日本の国権の最高機関だ(憲法第41条)。日本政府には、米軍に日本の航空法を守らせる責任があるし、日本の航空法を尊重していると日本政府に答えているはずの米軍は日本の航空法に従わなければならない。
横浜ノースドックをあたかも飛行場であるかのように使ってはならない。
(RIMPEACE編集部 星野 潔)
6月7日、離陸準備のため、横浜ノースドック先端近くの広場に引っ張り出されてきたオスプレイ。11時過ぎ頃(25.6.7 星野 撮影)
13時40分過ぎに回し始めたローターを一旦止めて、慌てて機体の上で応急整備のような作業が行われた(25.6.7 星野 撮影)
今度はナセルを横に倒して、ローターの補修のような作業が始まった。不安をかき立てさせるドタバタぶりだった(25.6.7 星野 撮影)
2025-6-8|HOME|