2機編隊の海軍ヘリ、横浜港で低空飛行訓練
9月4日の14時台、横浜港で2機編隊を組んで超低空周回飛行、離着陸訓練を執拗に繰り返した米海軍MH-60Rシーホークヘリコプター(25.9.4 星野 撮影)
横浜ノースドック中央部のグラウンドに2機並んで着地しているMH-60Rヘリ(25.9.4 星野 撮影)
並んで離陸するシーホーク(25.9.4 星野 撮影)
音響測定艦の近くの海上を超低空飛行するシーホーク。埠頭上にはこの日陸揚げされた海兵隊の軍用車両が並ぶ(25.9.4 星野 撮影)
着地していたグラウンドから、まずは左の機体から浮上したMH-60R(25.9.4 星野 撮影)
横浜ノースドックと「みなとみらい地区」の間の海上を超低空飛行する米海軍シーホーク。ここは横浜港のど真ん中だ。米軍の演習場ではない(25.9.4 星野 撮影)
瑞穂ふ頭の先端よりベイブリッジ寄りの海上を2機編隊で超低空飛行するシーホーク。もちろん、この場所は米軍基地上空ではない(25.9.4 星野 撮影)
大東通商横浜油槽所付近の海上を、2機編隊で超低空飛行するMH-60Rヘリ(25.9.4 星野 撮影)
2機編隊のまま、横浜ノースドックに着地する態勢に入るMH-60Rシーホーク(25.9.4 星野 撮影)
グラウンドに着地するシーホーク(25.9.4 星野 撮影)
再び浮上する2機のMH-60Rヘリ。離着陸と低空周回飛行を何度も何度も執拗に繰り返した(25.9.4 星野 撮影)
HSM-51所属のヘリであることが分かる(25.9.4 星野 撮影)
ヘリの向こうの白い柱は、瑞穂ふ頭にある風力発電施設「ハマウィング」のもの。高さ78メートルのタワー部分と比べると、非常に低い高度を飛んでいることが分かる(25.9.4 星野 撮影)
9月4日の14時台、横浜港に2機のヘリコプターが飛来した。
ともに米海軍MH-60Rシーホークだった。
厚木基地に所属するHSM-51(第51海洋攻撃ヘリコプター飛行隊)のヘリだった。
この日のこの時間帯には、横浜港は天候が悪くなっていて視界があまり良くなかったが、2機の海軍ヘリは並んで編隊を組んだまま、横浜ノースドック中央部のグラウンドに着陸し、しばらくすると離陸して横浜ノースドックの周辺を反時計回りで超低空周回飛行し、再びノースドックに着陸する、という一連の動き何度も何度も繰り返した。
筆者が、2機の海軍ヘリがローターを回したままノースドックのグラウンドに着地していることに気がついたのが、14時17分頃。
この2機が横浜港での離着陸・周回飛行訓練を終えて、ベイブリッジの上をギリギリの高度で飛び越えて、房総半島の方向に飛び去ったのが、14時52分頃。
つまり、2機の海軍ヘリは、少なくとも35分間あるいはそれ以上の時間、横浜港で飛行訓練を続けていたということだ。
航空機が自らの高度と位置情報を放送するシステムであるADS-B(Automatic Dependent Surveillance-Broadcast)を今回の2機の海軍ヘリは使用していなかったので、飛行航路や高度を正確に把握することはできなかった。
しかし、目視した限り、8月28日に陸軍ヘリが横浜ノースドックで周回飛行を行った際の、瑞穂ふ頭の先端部と大黒ふ頭の間の海上での飛行高度600フィート(約182.9メートル)よりもさらに低い高度で、今回の海軍ヘリは周回飛行を行っていた(8月28日の陸軍ヘリの周回飛行については、当HPの9月3日付けの記事で紹介した)。
もとより横浜港は、米軍に訓練空域として提供されたエリアではない。
また、確かに横浜港の中にある米軍基地横浜ノースドックは米軍に提供された「施設及び区域」ではあるが、飛行場でもヘリポートでもない。船や車両、あるいは徒歩での、海上や陸地からの「出入り」は可能であるが、航空機の訓練場として離着陸・周回飛行訓練に使用することは提供の趣旨に反する。
密集市街地や港湾上での超低空周回飛行訓練は、日本の航空法の最低安全高度の規定に著しく反している。
当日、この時間帯は雨天で視界はあまり良くなかった。航空法云々を持ち出さずとも、そんな状況の横浜港で超低空の周回飛行訓練を繰り返すことは危険だ。それを承知で米軍は訓練を行った。
米軍にとっては、日本列島に暮らす人びとの安全も生命も、自分たちの都合に比べれば価値のないものなのだろう。
それが如実に示された今回の訓練だった。
地元自治体である横浜市や神奈川県は、まずは米軍に対し強く抗議すべきだ。
再発防止はもちろんのこと、今回の訓練実施の意思決定を行った責任の所在の明示と、責任者の処分を要求すべきだ。
そして、横浜ノースドックの即時返還を強く要求すべきだ。
(RIMPEACE編集部 星野 潔)
9月4日14時52分頃、横浜港内での周回飛行訓練を切り上げて、ベイブリッジの方向に向かうシーホーク(25.9.4 星野 撮影)
ベイブリッジのギリギリ上を掠めるように飛び越えて、房総半島の方角へと飛び去って行く米海軍MH-60Rシーホークヘリ。この危険行為も「訓練」の一環なのだろうか(25.9.4 星野 撮影)
2025-9-7|HOME|