横浜港に飛来する海軍ヘリ


9月9日の夕方、横浜港上空に飛来したMH-60Rシーホーク。ベイブリッジよりも300メートル上を飛んでいるようには見えない(25.9.9 星野 撮影)


横浜港上空を飛ぶMH-60Rヘリ(25.9.9 星野 撮影)


HSM-51所属、モデックスは「16」の機体だ(25.9.9 星野 撮影)






風力発電施設「ハマウィング」の近くで方向転換し、横浜ノースドック上空を横切るシーホーク(25.9.9 星野 撮影)


横浜ノースドックを横断して「みなとみらい地区」側に来たシーホーク(25.9.9 星野 撮影)





再び旋回したMH-60Rシーホーク(25.9.9 星野 撮影)



ベイブリッジの方向に向かうシーホーク(25.9.9 星野 撮影)


高度を上げて飛び去っていった(25.9.9 星野 撮影)

9月9日の夕方、ベイブリッジの上を飛び越えてMH-60Rシーホークヘリコプターが1機、横浜港上空に飛来した。
厚木基地所属の米海軍HSM-51(第51海洋攻撃ヘリコプター飛行隊)のヘリで、モデックス番号は「16」だ。

ベイブリッジの上から港内に侵入したのが16時53分頃。
まずは赤灯台と大黒ふ頭の間の上空を通って、恵比寿町あるいは宝町の方向へと海上を飛行した。
そして恵比寿町や宝町上空に達する前に、横浜ノースドックのある瑞穂ふ頭の方に旋回し、横浜ノースドック上空を横切った。
横浜ノースドックと「みなとみらい地区」や山内町の間の海上に達すると再び旋回してベイブリッジの方に向かい、そのままベイブリッジ上空を飛び去っていった。
飛び去ったのが16時56分頃。
短時間の飛来ではあった。
何かやむを得ない任務があって、横浜港上空にやって来た訳ではなさそうだ。
訓練飛行中に、横浜に立ち寄って港の上空でも訓練を行ったということだろう。

9月4日の14時台に2機のシーホークが横浜ND周辺で長時間にわたって超低空周回飛行訓練を行ったことは当HPで既に報告したが、目視した限りではこの時に比べると9月9日に現れたシーホークは高い高度を飛んではいた。
ただし、9月9日に現れたMH-60Rも9月4日の2機と同様に、航空機が自らの高度と位置情報を放送するシステムであるADS-B(Automatic Dependent Surveillance-Broadcast)を使用していなかったので、正確な高度や航路は把握できなかった。

しかし、「人又は家屋の密集している地域の上空」における、「当該航空機を中心として水平距離600メートルの範囲内の最も高い障害物の上端から300メートルの高度」という最低安全高度は守られていなかった。
横浜港の上空は、「人又は家屋のない地域及び広い水面の上空」ではない。

実は、今回のような米軍ヘリの横浜港上空への飛来や短時間の訓練は、ごく日常的な出来事だ。「上空への飛来」のレベルであれば、これまで敢えて記事にすることは殆ど無かったが。
米軍ヘリはごくカジュアルに横浜港を訓練の場としているのだ。

市民は、米軍によってカジュアルに一方的に危険に巻き込まれているのだ。とんでもない話だ。

ところで、ADS-Bの情報によれば、シーホークが横浜港に飛来した9月9日の夕方の同じ時間帯には、2機の陸軍ブラックホークヘリコプターが横須賀沖の海上で超低空周回飛行訓練を続けていた。
この2機の他にも、房総半島の南側上空を別の1機の陸軍ブラックホークが訓練飛行をしていて、さらに別の1機のブラックホークが相模湾の二宮海岸付近を小田原方面に向けて飛行していた。
首都圏の空は、米軍ヘリの訓練場となっているのだ。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


外務省HPに掲載されている「在日米軍による低空飛行訓練について」の引用。
「在日米軍は、国際民間航空機関(ICAO)や日本の航空法により規定される最低高度基準を用いており、
低空飛行訓練を実施する際、同一の米軍飛行高度規制を現在適用している」とあるが、そうであるならば今回の飛行訓練もその基準に違反している。


2025-9-10|HOME|