自民党衆院議員の横浜ND訪問

2025年9月30日、横浜ノースドックを訪問した自民党衆議院議員の木原稔氏。
木原氏の前にいる迷彩服の軍人は、在日米陸軍副司令官のチェイニー大佐とみられる。
左後方には兵站支援艦サマーヴェルの先端部が見える。この写真が撮られた場所は、第5輸送中隊の本部がある建物とみられる。
米軍画像サイトDVIDS記事「Hon. Kihara tours Yokohama North Dock [Image 1 of 15]」より引用。
https://www.dvidshub.net/image/9393402/hon-kihara-tours-yokohama-north-dock

扉が開け放たれている建物が、横浜ノースドックの中の、陸自中央輸送隊(輸送処理隊)が使用している倉庫。
木原氏一行はここも訪問した(25.9.30 星野 撮影)

満艦飾で木原氏一行の訪問を待つ、揚陸艇パウルス・フック(25.9.30 星野 撮影)

白い大型バスに乗ってやって来た木原氏一行が、パウルス・フックに乗船していく(25.9.30 星野 撮影)

パウルス・フックのタラップを登る木原氏一行。
米軍画像サイトDVIDS記事「Hon. Kihara tours Yokohama North Dock [Image 11 of 15]」より引用。
https://www.dvidshub.net/image/9393356/hon-kihara-tours-yokohama-north-dock

木原氏の後から、スーツ姿の集団が続々とタラップを登って乗船していった(25.9.30 星野 撮影)

木原氏一行が艇内を訪問中の揚陸艇パウルス・フック(25.9.30 星野 撮影)

しばらくすると、操舵室から木原氏とみられる人影が現れた(25.9.30 星野 撮影)

木原氏とみられる人影を先頭に下船していく一行(25.9.30 星野 撮影)

スーツと迷彩服の行列が延々と続いた(25.9.30 星野 撮影)

パウルス・フックから離れる、木原氏一行を乗せた大型バス(25.9.30 星野 撮影)

ノースドック内の線路を撤去する工事現場の横を通り過ぎる木原氏一行のバス。随分前の日米合同委員会合意に基づく工事だ(25.9.30 星野 撮影)

兵站支援艦サマーヴェルの方に向かう木原氏一行の大型バス。
赤丸のところに止まっている黒い車と銀色のワンボックスカーは、木原氏一行の一部を乗せるために待機している(25.9.30 星野 撮影)

木原氏一行を乗せた大型バスが、兵站支援艦サマーヴェルの横に到着した(25.9.30 星野 撮影)

木原氏一行は、サマーヴェルの前に並んで記念写真を撮っているようだ(25.9.30 星野 撮影)

兵站支援艦サマーヴェルの前で記念写真に収まった木原氏一行。
米軍画像サイトDVIDS記事「Hon. Kihara tours Yokohama North Dock [Image 12 of 15]」より引用。
https://www.dvidshub.net/image/9393385/hon-kihara-tours-yokohama-north-dock

記念写真撮影後、木原氏一行の一部は黒い車と銀色のワンボックスカーに乗り込んでいった(25.9.30 星野 撮影)

黒い車が先に出発した(25.9.30 星野 撮影)
2025年9月30日、自民党衆議院議員の木原稔氏が横浜ノースドックを訪問した。
9月22日に告示された自民党総裁選の真っ只中のことだった。
木原氏の公式サイトによれば、この日彼は横浜市保土ケ谷区にある陸上自衛隊横浜駐屯地の中央輸送本部と横浜ノースドックを相次いで訪問した。
横浜ノースドックでは、同基地に配置されている陸自中央輸送隊(輸送処理隊)も訪れている。
米軍画像サイトDVIDSには、この日の木原氏の横浜ノースドック訪問の写真が15枚も掲載されている。
同サイトの記事によれば、在日米陸軍副司令官のジェームズ・チェイニー大佐、第836輸送大隊司令官のアレクシス・ジャクソン中佐、第765輸送(ターミナル)大隊司令官のブレンデン・B・バーソン中佐が、木原氏を横浜ノースドックで出迎えた。
また、木原氏がこの日横浜ノースドックで乗船した陸軍揚陸艇パウルス・フック(PAULUSU HOOK LCU 2033)は、満艦飾で彼を迎えた。
「一衆議院議員」の基地訪問への対応としてはかなりの厚遇だったと言えるのではないか。
在日米陸軍副司令官による対応や満艦飾といった厚遇が、自民党政権による米軍従属や巨額米国製兵器爆買いを続けさせる一助になるのであれば、米軍にとっては「お安いご用」というところだろうか。
木原氏の一行も、かなりの人数だった。秘書や自民党関係者だけではなく、官僚も木原氏一行に加わっていたのではないか。
木原氏はその後、10月21日に高市内閣の官房長官に就任している。
ところで、DVIDSには、木原氏が横浜ノースドックで第836輸送大隊や第765輸送(ターミナル)大隊についてレクチャーを受けている場面の写真も掲載されている。
第836輸送大隊の作戦区域にかんするレクチャーの写真には、レクチャーを受ける木原氏らとともに、インド太平洋地域の図に「海上展開流通能力を計画、実行、統合し日本(在日米軍)や広範なインド太平洋軍作戦区域のため軍隊を投射し、継戦させる」という解説が書き込まれたパワーポイントのスライドが写り込んでいる。
第836輸送大隊とは、横浜ノースドックに配置されている米陸軍の部隊だ。
しかし、在日米軍の部隊として横浜ノースドックに配置されている輸送部隊が、「広範なインド太平洋軍作戦区域に軍隊を投射し、継戦させる」役割を持つことは、明白な日米安保条約違反だ。
米軍が日本国内の基地を使うことが許されているのは、日米安保条約第6条に「日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため、アメリカ合衆国は、その陸軍、空軍及び海軍が日本国において施設及び区域を使用することを許される。(以下略)」という条文があるからだ。
つまり、安保条約上、日本の「施設及び区域」を使用する米軍部隊に許される軍事活動の範囲は、「日本国」及び「極東」に限られている。
他方、第836輸送大隊が担当しているという「広範なインド太平洋軍作戦区域」が、日本国の領域はもちろん「極東」を遙かに超えた空間を意味していることは、木原氏へのレクチャーで使われたスライドの図からも明らかだ。
繰り返しになるが、在日米軍の部隊が極東を超えた領域での軍事活動を任務とすることは、安保条約で許されていない。
防衛大臣を務めたこともある木原氏は、当然、安保条約第6条の「極東条項」を知っているはずだ。
この「極東条項」こそ、1960年の安保改定をめぐる「安保国会」の重要な論点の一つだった。
政府答弁によれば安保条約第6条の「極東」とは、フィリピン以北のことであって、「広範なインド太平洋軍作戦区域」の多くはその範囲に含まれていない。
従って、第836輸送大隊は日米安保条約に違反する活動を行っているということだ。
1990年代以降の政策文書でいくら日米安保をグローバルに展開することを謳ってみたところで、外国の軍隊である米軍が日本の「施設及び区域」を使用することができる根拠法たる日米安保条約は改定されていない以上、フィリピン以北の極東の範囲を越える任務を割り当てられた部隊が在日米軍の部隊として日本の「施設及び区域」を使用することは、安保条約違反だ。
日本の国会議員に対して、在日米軍の部隊が安保条約違反の任務を担っていることを公然とレクチャーするとは、米軍も随分見くびった態度をとるものだ。
木原氏は、講師役の米軍人に対して第836輸送大隊の任務が安保条約に違反していることをただちに指摘しただろうか。
木原氏のHPの報告記事からは、残念ながらそうしたことを行った形跡を読み取ることは出来ない。
また、そもそも木原氏が訪問した横浜ノースドックは、地元の横浜市が長年にわたって返還を求め続けている基地であり、横浜市会(市議会)も、自民党会派を含めて総意としてノースドックの返還を求めている。
木原氏は、日本の国会議員として地元のそうした声をしっかりと米軍人に対して届けただろうか。
(RIMPEACE編集部 星野 潔)

米軍人が横浜ノースドックで木原氏に第836輸送大隊の作戦区域についてレクチャーしているところ。
投影されたスライドには「海上展開流通能力を計画、実行、統合し日本(在日米軍)や広範なインド太平洋軍作戦区域のため軍隊を投射し、継戦させる」と書き込まれている。
米軍画像サイトDVIDS記事「Hon. Kihara tours Yokohama North Dock [Image 6 of 15]」より引用。
https://www.dvidshub.net/image/9393374/hon-kihara-tours-yokohama-north-dock
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