横浜港の真ん中で射撃の姿勢をとる兵士たち


4月29日の正午頃、横浜港みなとみらい地区臨港パークから見た横浜ノースドック。複数の兵士が基地の外に銃を向け射撃の姿勢をとっている(26.4.29 星野 撮影)


一番右側の兵士の銃口は、大さん橋あるいは新港ふ頭地区の方向を向いているように見える。
右から二人目の兵士の銃口は、山内ふ頭あるいはコットンハーバー地区の方向を狙っているように見える(26.4.29 星野 撮影)


もう少し視界を広げると、さらに右側にも伏射の姿勢で銃を構える兵士がいる。
この兵士は、新港ふ頭地区あるいはみなとみらい地区に銃口を向けているように見える(26.4.29 星野 撮影)


射撃の姿勢をとった兵士たちの前を観光船シーバスが通る。ここは横浜港のど真ん中だ(26.4.29 星野 撮影)


兵士たちの位置や姿勢が変わったように見える。兵士が交代したのか、あるいはたんに姿勢を変えただけなのかは分からない(26.4.29 星野 撮影)


しかし、やはり市民の集まっている場所に銃口を向けて射撃の姿勢をとった(26.4.29 星野 撮影)


みなとみらい地区の臨港パークの眼前で、射撃の姿勢をとる兵士たち(26.4.29 星野 撮影)

4月29日の正午頃、横浜港の真ん中にある横浜ノースドックで、複数の兵士たちが基地の外の市民生活の場に銃口を向け射撃の姿勢をとっているのが確認された。前代未聞のことではないか。

迷彩服のうえに防弾チョッキも着けて、ヘルメットを被り小銃を手にした兵士のグループが、横浜港のみなとみらい地区・臨港パークの眼前で、戦争映画の一シーンよろしく射撃の姿勢をとったり、様子をうかがうポーズをとったりしているのが確認されたのは、4月29日の午前11時台から昼の12時台にかけてのことだ。
場所は横浜ノースドックのFバース付近、埠頭先端部から1つめと2つめの倉庫の間の周辺だ。

兵士たちのグループの一部は、小銃を手に埠頭内の方の様子をうかがうポーズをとっていたが、別のグループはみなとみらい地区の方向を向いて、長い時間、伏射などの姿勢で銃を構えていた。かれらの銃口は、大さん橋あるいは新港ふ頭地区や山内ふ頭などに向けられていたとみられる。さらには、みなとみらい地区にも向けられたようにも見える。

祝日のこの日、みなとみらい地区をはじめとする横浜港は、観光や休息に訪れた市民や、連合神奈川の中央メーデーに訪れた労働組合員たちなどで賑わっていた。
射撃の姿勢をとっていた兵士たちの目にもそうした市民の姿は見えていたことだろう。
それでも、かれらは基地の外の市民生活の場に銃口を向けて射撃の姿勢をとった。
ちなみに、同じ時間帯に、基地の対岸にあるみなとみらい地区で行われていた連合神奈川の中央メーデー会場には、横浜市長や神奈川県知事も訪れていた。

米兵たちはなぜ、市民生活の場に銃口を向けて射撃の姿勢をとったのか。なぜ、それが許される行為だと考えたのか。

米軍にとっては、日本社会で暮らす人びとなど、いざとなれば射撃の対象にしても構わない存在なのだということを、うっかりおおっぴらにしてしまっただけのことなのか。
それとも米本土でも米軍は、普段から基地の外の市民に銃口を向けて射撃の姿勢をとる訓練をしているとでもいうのだろうか。

そうではなく、横浜ノースドックと基地の外のふ頭や公園のあいだには海があり、少し距離があるので銃口を向けて狙いを定めてもどうせ市民にはバレやしない、とでも考えたのか。

あるいは、小銃の一般的な有効射程距離を考えると横浜ノースドックのこの位置からならば対岸の市民は狙われてもたぶん「大丈夫」だから、「おまえら市民は米兵に銃口を向けられても気にするな、黙っていろ」とでも言うつもりだったのだろうか。

いや、実は、ぴょんぴょん跳びはねてトランプ大統領や米兵にへつらう人物を首相にしている国の人びとのことだから、米兵に銃口を向けられてもぴょんぴょんして喜ぶだろうとでも思ったか。

そもそもなぜ、米兵たちの一団は横浜ノースドックで射撃の姿勢をとっていたのだろうか。

この日のこの時間帯、横浜ノースドックでは、Hバースに接岸している貨物船へのコンテナ積み込み作業や、別の場所でのコンテナの移動作業など、複数の作業が同時に平行して進められていた。だから、何らかの緊急事態が起きていたわけではないはずだ。
ということはつまり、武装した兵士たちは横浜ノースドックで戦闘訓練を行っていたということだろう。

しかし、横浜市基地対策課のHPを見る限り、横浜ノースドックで米軍が演習を行うという通告があったという情報はない。
また4月29日に訓練を行っていた兵士たちの人数は、それほど大勢というわけではなさそうだった。
とすると、横浜ノースドックに外部から部隊がやって来て訓練を行ったというよりも、横浜ノースドックに置かれている揚陸艇部隊の第5輸送中隊の兵士たち、あるいは兵站支援艦の運航を担当する部隊の兵士たちが戦闘訓練を行ったということではないだろうか。

揚陸艇や兵站支援艦の運用を担当する部隊といえども陸軍部隊であるので、所属する兵士たちはおそらく定期的に一定の戦闘訓練などを行うことがノルマとなっているだろう。
4月29日に横浜ノースドックで見られた戦闘訓練は、そうした訓練の一環だった可能性がある。

しかしだからと言って、横浜ノースドックで戦闘訓練を行うことが許されるというわけではない。

これまで横浜ノースドックでは、基地の外の市民の仕事や生活の場に銃口を向けて射撃の姿勢をとる訓練はもちろん、市民から見える場で銃を構える戦闘訓練が行われたという記録は無いはずだ。既に述べた言葉を繰り返すと、前代未聞のことだ。

いくら米軍基地といえども、基地の外の市民の生活や仕事や観光の場に銃口を向けるような訓練を行うことが許されるはずがない。
いや、仮に直接銃口を向けなくても、市民が仕事や生活や観光を行っている場所のど真ん中で、銃を使った戦闘訓練を行うこと自体、あり得ないことだ。

そんな基本的な認識すら、米軍には欠如しているのか。
もはや米軍は、日本で何をやっても許されると勘違いするほど緩みきっているのではないか。
そしてそうした傲慢さを増長させているのが、高市首相をはじめとする日本政府の態度であり、防衛省・自衛隊の態度ではないか。

横浜港は米軍の演習場ではない。
日本政府、神奈川県、横浜市は強く抗議し、兵士たちが市民生活の場に銃を向けた理由の説明と責任者の厳正な処分を求め、再発防止の徹底を図る必要がある。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


基地の外に銃を向けている兵士たちの隣には、小銃を手にふ頭の中を窺う兵士たちもいた(26.4.29 星野 撮影)


こちらもまた、ずいぶん物々しい雰囲気だ(26.4.29 星野 撮影)


兵士たちの目の前を民間運送会社のトレーラーが通り抜ける。この日、ふ頭先端部のHバースでは荷役作業が行われていた(26.4.29 星野 撮影)


銃を構えた兵士たちの横を神奈川県警のボートが通過する(26.4.29 星野 撮影)


銃を構えた兵士たちが慌ただしく走る(26.4.29 星野 撮影)


兵士たちの目の前を藤木企業の車が通過する。伏射の姿勢をとった兵士は、何を狙っているのだろうか(26.4.29 星野 撮影)




一体どういう想定の訓練なのか不明だ(26.4.29 星野 撮影)


ヘルメットではなく帽子を被っている人物は、階級がそこそこ高い軍人なのだろうか(26.4.29 星野 撮影)


2026-5-8|HOME|