陸軍組み立て式小型舟艇、横浜の臨海公園に異常接近

6月8日の午後、横浜港の新港ふ頭「新港パーク」にあるバーベキュー場に接近していく米陸軍組み立て式舟艇のコーズウェイ・フェリー(CF)が手前に見える。
この写真の左上方には、ノースドックのふ頭に沿って航行するもう1隻のCFも写り込んでいる(26.6.8 星野 撮影)

バーベキュー場の目の前で横向きに向きを変えていくCF(26.6.8 星野 撮影)

横向きのまま、さらに「新港パーク」のバーベキュー場に接近していくCF(26.6.8 星野 撮影)

この地点で、いったん停止したように見える(26.6.8 星野 撮影)

よく見ると、操舵室に人影がなくなっている(26.6.8 星野 撮影)




おもむろに棒を取り出してきて、水深を測った(26.6.8 星野 撮影)

乗っている4人の兵士のうち3人までがライフジャケットを着用していない。ただし、着用していなかった3人のうち1人はその後着用した。(26.6.8 星野 撮影)


操船する兵士が操舵室を離れている間に、波に流されたためかCFは陸地側にさらに接近していった(26.6.8 星野 撮影)

陸地側に異常接近した状態になっても、兵士たちは操舵室を不在にしたまま、何やら話を続けていた(26.6.8 星野 撮影)

しばらくしてからようやくCFは動き出した。この時点でライフジャケットを着用している兵士は2人になったが、まだ着用していない兵士もいる(26.6.8 星野 撮影)

こんどは「みなとみらい地区」の「ぷかりさん橋」に近づいた(26.6.8 星野 撮影)


さらに「臨港パーク」に接近していく。15時頃のことだ(26.6.8 星野 撮影)

「臨港パーク」に近づいた米陸軍組み立て式舟艇、コーズウェイ・フェリー(26.6.8 星野 撮影)

バーベキュー場や「臨港パーク」に近づいた「02」番のCFと同じ時間帯に横浜港内を航行していたもう一隻のCF。横浜ノースドックのふ頭の先端部付近を進んでいる(26.6.8 星野 撮影)
6月8日の午後、横浜港内で、米陸軍の組み立て式舟艇の一種であるコーズウェイ・フェリー(CF:Causeway Ferry)2隻が、迷彩服を着た兵士を数人ずつ乗せて航行した。
どこかの目的地に向かって進んで行くのではなく、乗船した兵士が操船して港内を動き回っているだけだったので、おそらくは操船訓練あるいは乗船体験訓練の一環だったのだろう。
この2隻のうちの少なくとも1隻は、新港ふ頭の「新港パーク」に設置されているバーベキュー場「ドリーム・ドア・ヨコハマハンマーヘッド」や、みなとみらい地区の「臨港パーク」の護岸のまさに目の前に接近して、しばらくの間停船していた。
米軍の舟艇がノースドックの対岸の臨海公園の護岸すれすれところにまで接近したのは、前代未聞のことだ。
今回横浜港内を航行していたCFは、APS(Army Prepositioned Stocks:陸軍事前配備貯蔵)の拠点としての横浜ノースドックに、揚陸作戦用の舟艇や資材の一部として配備されているものだ。
普段は複数のCFが分解された状態でノースドックに保管されているが、組み立てられた状態で埠頭上に置かれることもある。
その組み立て済みのCF2隻が、5月26日に民間クレーンバージによってふ頭上から海上に降ろされて、横浜ノースドックの陸地寄りにあるV字型の切れ込み(「V-SHAPED TURNING BASIN」)のところに移動し、係留されていた。
6月8日の午後、横浜港内を航行していたのは、この2隻だ。
既に述べたように、操船訓練あるいは乗船体験訓練だったのではないかと考えられる。
しかし、そもそも横浜港内は、米軍に訓練水域として提供された水域ではない。
交通量が多く、観光に訪れる人も多い横浜港内を、米軍が勝手に訓練場として使うことは許されていないはずだ。
ましてや、「新港パーク」や「臨港パーク」の護岸の目の前に接近することなど、あり得ないことのはずだ。
にもかかわらず、今回、CFがノースドックの対岸の公園に異常接近したのは、いったいなぜなのか。
ノースドックの対岸の臨海公園への接近が、今回の操船訓練のメニューに含まれていたことなのか。それとも、乗員の兵士が勝手にふざけてやったことなのか。
また、CFが「新港パーク」のバーベキュー場に最接近した時に、乗船していた兵士がその場所の水深を測ったのは、いったい何のためだったのか。
今後もこのエリアを米軍の訓練水域として使うための、情報収集だったのだろうか。
6月8日のこの時間帯には、日本の太平洋沿岸などにはフィリピンで発生した大地震による津波注意報が出されていた。
神奈川県内でも、相模湾や三浦半島に津波注意報が出ていた。確かに東京湾内は注意報の対象外とされていたようだが、同じ東京湾内でもすぐ隣の横須賀基地では、予定されていた海軍の警備艇訓練は中止になった。しかし、横浜港ではお構いなしにCFの訓練が行われた。
CFには、津波注意報をあざ笑うかのように、ライフジャケットすら着用していない兵士が複数乗船していた。
新港ふ頭のバーベキュー場の目の前に接近した際には、操船を担当していた兵士は操舵室から離れ、他の乗員とともに陸上を眺めたり、水深を測ったりした。
操舵室がカラになったCFは、波に流されたためか陸地にさらに接近していった。
「公共の安全」への「考慮」など微塵も感じさせない振る舞いだった。
兵士たちが銃口を横浜ノースドックの外に向けて射撃の姿勢をとった4月29日の「事件」に続く、横浜での今回の出来事だ。
米軍は緩みきっているのではないか。
日本では何をやっても許されるという、大きな勘違いをしているのではないか。
(RIMPEACE編集部 星野 潔)

今回、横浜港内を動き回った2隻のCFは、5月26日に民間クレーンバージによってノースドックのふ頭上から海上に降ろされていた(26.5.26 星野 撮影)

海上に降ろされた2隻のCFは、ノースドックのふ頭の陸地に近いところにあるV字型の切り込みのところに係留された。
この写真では片方の操舵室とマストの一部が見える(26.5.28 星野 撮影)
2026-6-13|HOME|