音響測定艦ロイヤル、三菱重工本牧工場でドック入り

三菱重工横浜製作所本牧工場にドック入りしている音響測定艦ロイヤル(26.8.7 星野 撮影)

作業をする人びとが見える(26.8.7 星野 撮影)

ロイヤルが入っているのは、三菱重工横浜製作所本牧工場の第2号修繕ドックだ(26.8.7 星野 撮影)

三菱重工横浜製作所本牧工場。岸壁には海上自衛隊の試験艦が停泊している(26.8.7 星野 撮影)

三菱重工横浜製作所本牧工場の岸壁に接岸している海上自衛隊の試験艦「あすか」。8月7日に横須賀から移動してきた。
三菱本牧工場に海自の艦船が入るのは、日常的な光景になっている(26.8.7 星野 撮影)

ロイヤルが横浜ノースドックから移動してきた8月4日の三菱重工横浜製作所本牧工場の遠景。赤丸のところにロイヤルのレドームがみえる(26.8.4 星野 撮影)
音響測定艦ロイヤル(LOYAL T-AGOS 22)が8月4日の早朝、三菱重工横浜製作所本牧工場の2号ドックに入渠した。
ロイヤルは、任務航海とみられる長期の航海を終えて7月27日に実質的な「母港」である横浜ノースドックに帰港したばかりだった。
米海軍音響測定艦の三菱本牧工場入りは、今年6月9日から19日にかけて入渠していたエイブル(ABLE T-AGOS 20)に次いで2隻目だ。
すぐ隣の横須賀基地に米海軍艦船修理廠があるにもかかわらず、三菱本牧工場に入ったということは、米軍は日本の民間工場も使わなければ艦船の整備工事の需要をまかないきれない状況になっているということではないか。
そして三菱重工は、国際法違反の戦争を仕掛けている国の軍隊の艦船の修理を請け負い続ける道を選んだというわけだ。
ところで、音響測定艦ロイヤルが長期航海のために横浜ノースドックを出港したのは、今年の2月19日のことだった。
3月1日に沖縄のホワイトビーチに寄港し、3月7日に出港した後、4月7日になってフィリピンのスービックに現れている。この間、南シナ海で活動していたものと考えられる。
AIS(自動船舶識別装置)によれば、ロイヤルは、4月7日から同月11日までスービックに滞在した後、再び南シナ海に向かった。
6月4日にスービックに寄港し、6月11日に出港して、またも南シナ海に向かった。
この後、ロイヤルのAISの信号の発信は途絶えていたようだが、7月27日に横浜に戻ってきた、というわけだ。
米海軍の音響測定艦は、2019年頃から全5隻がすべて横浜を拠点として中国の原潜を監視する活動を行ってきた。
今年2月から7月にかけてのロイヤルの長期に渡る任務航海も、米軍音響測定艦のそうした一連の中国原潜監視活動の一環としてみることができる。
しかし、既に当HPで何度か指摘してきたように、実は近年、米海軍の音響測定艦の活動の頻度は著しい低下をみせている。
ロイヤルの今年2月から7月までの5ヶ月間に渡る任務航海は、最近の米海軍の音響測定艦としては異例と言えるほどの長い任務活動だったのだ。
8月12日現在の、米海軍の全5隻の音響測定艦の所在は以下の通りだ。
ロイヤルは三菱重工横浜製作所本牧工場にドック入り中だ。
エイブルとビクトリアス(VICTORIOUS T-AGOS 19)は横浜ノースドックに停泊中だ(ビクトリアスは7月7日に油を横浜港内に大量に漏出させる事故を起こしている)。
インペッカブル(IMPECCABLE T-AGOS 23)は、長期にわたって動けない状態のまま横浜ノースドックに係留されていた後、今年3月27日にタグボートに曳かれて瀬戸内海の因島にあるジャパンマリンユナイテッド因島工場に向かって工事中だ(8月11日に数時間試験航海を行った模様だ)。
エフェクティブ(EFFECTIVE T-AGOS 21)は今年4月11日に横浜ノースドックを出港した後、4月26日にシンガポールに到着し、現在もシンガポールに滞在している。おそらく何らかの工事を行っているのだろう。
つまり、米海軍の保有する全5隻の音響測定艦は、8月12日の時点で一隻も実際の任務には就いていないのだ。
他方、海上自衛隊が保有する全4隻の音響測定艦の所在をAISで確認してみると、
「ひびき」は5月25日に呉を出港し、「あき」は5月9日に呉を出港し、「はりま」は8月6日に呉を出港し、「びんご」は8月9日に呉を出港し、いずれもAIS上では8月12日時点での所在は不明になっている。
つまり、AISによるとこれら全4隻の海上自衛隊の音響測定艦は、現時点でいずれも所在不明なのだ。おそらくはこれらのうちの少なくとも1隻あるいは複数が、米軍の代わりに、米軍のために、南シナ海の最前線に投入されている可能性が高い。
恐ろしい話だ。
防衛省幹部は、米軍の代わりに自衛隊員を米軍の最前線に投入して、米軍を守ることこそが自分たちの任務だと勘違いをしてしまっているのではないだろうか。
(RIMPEACE編集部 星野 潔)

7月27日、長期間の航海を終えて横浜ノースドックに戻ってきた音響測定艦ロイヤル(26.7.27 星野 撮影)

今年2月18日、長期間の航海に出発する前日の音響測定艦ロイヤル(26.2.18 星野 撮影)

7月7日、横浜で油漏れ事故を起こした音響測定艦ビクトリアス。海上保安部に事故を通報したとされる時間の10数分前の写真だ(26.7.7 星野 撮影)
2026-8-12|HOME|