横浜NDは花火大会の米軍関係者限定「特等席」か?

8月24日の夕方、横浜ノースドックの海沿いに折りたたみ椅子が並べられ、米軍関係者・基地関係者やその家族とみられる人びとが花火大会の開始を待っていた(26.8.24 星野 撮影)

飲食物を販売するフードトラックと思しき車両も停まっている(26.8.24 星野 撮影)

左の双胴船は、高速輸送艦グアムだ(26.8.24 星野 撮影)

「私物」と思しき乗用車が停まっている。花火見物に来た米軍関係者・基地関係者のものだろう(26.8.24 星野 撮影)

分かりづらいが、ふ頭先端部にも花火見物にやって来たと思しき人影が見える。まだこの時間は日差しが強いので、数人しかいないが(26.8.24 星野 撮影)
8月24日の夜、横浜港で花火大会「みなとみらいフェスティバル」が開催された。
その名の通り、「みなとみらい地区」臨港パーク前の海上に台船を浮かべて1万8000発(『神奈川新聞』8月25日)の花火を打ち上げるイベントだった。
花火が打ち上げられたのが「みなとみらい地区」臨港パークの前の海上だったということは、それは、横浜ノースドックの目の前の海上だったということでもある。
実際、横浜ノースドックは、今回の花火大会で米軍関係者・基地関係者とその家族などの「特等席」になっていた。
花火の打ち上げが始まる数時間前には、ノースドックの「みなとみらい地区」側には、バーベキューなどの時に使われる折りたたみ式の椅子が多数並べられ、米軍関係者あるいは基地関係者やその家族と見られる人びとが三々五々に座り、早くも花火の開始を待っている様子が確認された。
ノースドックのベイブリッジに近い場所には、複数の自家用車と思しき車が停められているのも確認された。おそらくは花火見物に訪れた米軍関係者、基地関係者のものだろう。
Bバースに停泊している高速輸送艦グアム(GUAM T-HST 1)の近くには、フードトラックと思しき車両も停められていて、飲食物を販売しているらしい様子も見えた。
まさかフードトラックの業者が基地の中に勝手に入ってくるはずはない。米軍が基地内の花火見物人のために手配したのだろう。
ノースドックのふ頭の海沿いに多数の折りたたみ椅子が並べられていたのも、米軍が手配をしたか、あるいは少なくとも基地本来の活動には何ら関係の無いはずの花火鑑賞用の椅子を並べることを米軍は拒まず、むしろ助長したということではないか。
椅子にしてもフードトラックにしても、花火大会を米軍関係者・基地関係者やその家族の「福利厚生」の一環として利用しようという米軍の意図の表れだろう。
他方、ノースドックの対岸の「みなとみらい地区」やその周辺では、事前にチケットを購入した人以外の市民には臨港パークなど海沿いへの立ち入りを許さない、厳しい規制措置が取られていた。
事前に販売された、打ち上げが見える海沿いに立ち入ることが許されるチケットは、いくつかの種類があったが、いずれも極めて高額だった。
「みなとみらいフェスティバル実行委員会」HPからチケットの種類と料金の部分を引用すると、
チケット@臨港パーク 一般協賛(パイプ椅子席) 12,000円(税込)/1名
チケットA耐震バース 一般協賛(パイプ椅子席) 12,000円(税込)/1名
チケットB臨港パークカメラゾーン(エリア内自由) 18,000円(税込)/1名
チケットC耐震パークカメラゾーン(エリア内自由) 18,000円(税込)/1名
チケットD横浜ハンマーヘッド9号岸壁 一般協賛(テーブル1卓イス4席)48,000円(税込)/4口1セット
チケットE横浜ハンマーヘッド パーク会場テーブル席 一般協賛(テーブル1卓イス4席)48,000円(税込)/4口1セット
チケットF横浜ハンマーヘッド パーク会場デッキ席 一般協賛(ペアシート席2席)24,000円(税込)/2口1セット
チケットG臨港パーク会場 芝生エリア 6,000円(税込)/1名
チケットHカップヌードルミュージアムパーク会場 6,000円(税込)/1名
だった。
また、「みなとみらい地区」だけではなく大さん橋も、この日は一般市民の立ち入りを拒絶していて、入場を許されたのは事前に花火鑑賞チケットを購入した人のみだった。
大さん橋のチケットも高額で、「横浜大さん橋国際客船ターミナル」HPによれば、通常席は4,000円/人で、カメラ席(三脚専用)は6,000円/人だった。
つまり、今回の横浜港花火大会では、花火の打ち上げを臨港パークで椅子に座って間近に見ることができるのは、事前に1人当たり1万円を超える高額チケットを買うことができる人に限定されていた、ということだ。
一般の市民で短時間の花火大会のためにそれだけの金額を払うことができる人が、一体どれだけいたというのだろうか。
では、横浜ノースドックの「特等席」に座って花火の打ち上げを堪能することができた米軍関係者らは、相応の料金を払ったのだろうか。
「みなとみらいフェスティバル実行委員会」は、米軍関係者からもしっかり「パイプ椅子席 12,000円(税込)/1名」の料金を徴収したのだろうか。
フードトラックまで乗り入れさせて花火を利用した米軍からも、実行委員会はしっかりと相応の協賛金を徴収したのだろうか。
まさか、市民には高額の料金を課しておきながら、米軍関係者にはそれと同等かそれ以上の「特等席」からタダで花火鑑賞をさせるようなことはしていないと信じたいが、実際のところはどうだったのだろうか。
万々が一にも、今回、米軍に「特等席」からタダで花火を鑑賞させてしまっていたのならば、事後であっても、今から、実行委員会は米軍に相応の鑑賞料や協賛金を支払わせるべきではないのか。公平性を担保するためにも。
また、今後も海の間近の公園を囲い込んで、抽選で入場者を決めるのではなく高額のチケット料を購入できた人だけに入場を許すかたちで花火大会を続けるのであるならば、実行委員会は、あらかじめ米軍からも相応の高額協賛料金を徴収するべきではないか。
もしも、料金の支払いを拒否された場合には、ノースドックを花火鑑賞の「特等席」として米軍に利用させないための何らかの措置をとることが必要ではないか。
(RIMPEACE編集部 星野 潔)

横浜ノースドックと「みなとみらい地区」の間の海上に、花火を打ち上げる台船が待機している。
ノースドックには弾道ミサイル追跡艦ハワード・O・ロレンゼンが停泊している(26.8.24 星野 撮影)
2026-8-28|HOME|