横浜NDにCBRN部隊の車両や資材を搬入か

8月21日、横浜港に入港する自動車運搬船リバティ・ニューヨーク。米国ポート・ヒューニーメからやって来た(26.8.21 星野 撮影)

リバティ・ニューヨークが接岸する直前の、横浜ノースドックのHバース付近。荷役会社の藤木企業のフォークリフトなどが待機している(26.8.21 星野 撮影)

横浜ノースドックに接岸するリバティ・ニューヨーク(26.8.21 星野 撮影)

接岸後だいぶ時間が経ってから、ランプウェイが展開された(26.8.21 星野 撮影)

荷役作業のために待機する人とフォークリフト(26.8.21 星野 撮影)

しかし実際に陸揚げ作業が開始されたのは19時過ぎ、夜になってからだった。複数のフォークリフトが使われた。
右側のフォークリフトは、藤木企業の大型フォークリフトだ(26.8.21 星野 撮影)


リバティ・ニューヨークから次々と小型コンテナが運び出されてきた(26.8.21 星野 撮影)

20フィートコンテナを陸揚げする藤木企業の大型フォークリフト(26.8.21 星野 撮影)

20フィートコンテナも複数陸揚げされた(26.8.21 星野 撮影)

陸揚げ作業はさらに続けられた(26.8.21 星野 撮影)
8月21日、横浜ノースドックに、CBRN(化学・生物・放射線・核)対応部隊のものとみられる車両や資材が陸揚げされた。
陸揚げしたのは、マーシャル諸島船籍の自動車運搬船リバティ・ニューヨーク(LIBERTY NEWYORK)だ。
リバティ・ニューヨークは、AIS(船舶識別装置)の情報によれば米西海岸のポート・ヒューニーメを現地時間の8月8日に出港し、その後どこにも立ち寄ることなく8月21日の夕方、横浜ノースドックのHバースに入港した。
入港直前には既に、Hバースには地元港湾荷役企業の藤木企業の大型フォークリフトが待機していたが、実際に陸揚げ作業が開始されたのは、19時過ぎ、完全に夜になってからだった。
この時、複数のフォークリフトを使って多数の小型コンテナや20フィートコンテナが陸揚げされたのが確認されたが、軍用車両も複数陸揚げされたようだ。
入港当日の8月21日の深夜にはリバティ・ニューヨークは横浜ノースドックを再び出港し、その後、8月25日の朝に中国の青島港に入港した。
現在の米中関係や世界情勢のなかで、チャーターされた民間貨物船が米軍の物資を中国の港に運ぶとは考えづらいから、リバティ・ニューヨークは今回、米本土から横浜ノースドックまでの輸送のみについて米軍にチャーターされていたのだろう。また、横浜ノースドックで何らかの米軍の物資を積み込んで中国の青島に運んだりはしなかったはずだ。
では、リバティ・ニューヨークから横浜ノースドックに陸揚げされたコンテナや車両はどこへ行ったのか。
陸揚げ作業の翌日の8月22日の午後には、横浜ノースドックのHバース周辺からは前夜に陸揚げされた物資は既にすべて運び去られていた。
しかし、ノースドックの陸地寄りの、「みなとみらい地区」側からは反対側の「奥」にあたる野積み場に、その前日までは無かった複数の車両やコンテナが並べられていて、その脇には藤木企業の大型フォークリフトが止められているのが確認できた。
つまり、この野積み場に並べられた車両やコンテナが、リバティ・ニューヨークから陸揚げされたものである可能性が極めて高い。
ただし、リバティ・ニューヨークから陸揚げされた複数の20フィートコンテナの行方は今のところ不明だ。また、上述の野積み場に並べられている小型コンテナの数よりももっと多くの小型コンテナが陸揚げされた可能性もある。その場合には、それらの小型コンテナの行方も不明だ。
さて、自動車運搬船リバティ・ニューヨークから陸揚げされたとみられる、横浜ノースドックの野積み場に並べられた車両やコンテナを別の角度からより詳細に眺めたところ、複数の車両に「48BDE 110CM」と「45HR」の記号が表示されていることが分かった。複数のコンテナにも「45HR」の表示が書き込まれていた。
「45HR」は、ワシントン州ルイス・マッコード統合基地を拠点とする陸軍45th CBRN Company (Hazardous Response)(第45CBRN中隊(危険物対応))を意味しているのではないか。
この第45CBRN中隊は、第110 CBRN大隊(110th CBRN Battalion)、第48化学旅団(48th Chemical Brigade)、そして米国防総省のCBRNE対処における主力部隊である第20 CBRNE(化学・生物・放射線・核・爆発物)司令部(20th Chemical, Biological, Radiological, Nuclear, Explosives (CBRNE) Command)の隷下にある部隊だ(米陸軍公式HP2024年4月8日付け記事、「US Army CBRN company assumes rotational mission near Korean Demilitarized Zone」参照)。
つまり、横浜ノースドックに陸揚げされた車両に表示されている「48BDE 110CM」の記号は、「第48化学旅団第110CBRN大隊」を表しているものと考えれば、「48BDE 110CM」と「45HR」が並んで表示されていることの説明がつくのだ。
実際、第48化学旅団第110CBRN大隊第45CBRN中隊(危険物対応)が韓国にローテーション展開されたことを報じた上記の米陸軍公式HPの2024年4月8日付け記事に掲載されている写真に写っている、同部隊の装甲車両の前面にも、今回横浜ノースドックに搬入された軍用車両と同じ記号の表示「48BDE 110CM」と「45HR」が確認できる。
要するに、8月21日の夜、自動車運搬船リバティ・ニューヨークから横浜ノースドックに、陸軍第45CBRN中隊の車両や資材が陸揚げされた可能性が極めて高い、ということだ。
CBRNとは、既に以上の説明でも触れた通り、Chemical, Biological, Radiological, Nuclear(化学・生物・放射線・核)を意味する言葉だ。
ではなぜ、CBRN(化学・生物・放射線・核)対応を専門とする部隊の車両や資材が横浜ノースドックに陸揚げされたのだろうか。
以前、2021年の2月から9月末にかけて、厚木基地でCBRN訓練が行われたことがあった。この時は、米軍は直前までCBRN訓練の実施を公表しなかったが、横浜ノースドックには既に2020年12月からCBRN部隊の車両や資材の搬入が行われていた。
2021年の厚木基地でのCBRN訓練の時のように、首都圏あるいはその周辺の米軍基地でCBRN訓練を行おうというのだろうか。
それとも、今回のCBRN部隊の車両や資材の搬入には、別の目的があるのだろうか。
「化学・生物・放射線・核」はいずれも、住民の安全や生命にかかわる極めて重大な問題だ。
秘密裏に勝手に事を進めることは許されない。
(RIMPEACE編集部 星野 潔)

8月21日の夜にリバティ・ニューヨークから陸揚げされたと見られるコンテナや車両の少なくとも一部は、翌日にはノースドックの野積み場に並べられていた(26.8.22 星野 撮影)

赤い線で囲んだところに並べられている小型コンテナや車両は、8月21日まではここには置かれていなかった。
そのすぐ横には、前夜にリバティ・ニューヨークからの陸揚げ作業に使われたものと同一のものとみられる藤木企業のフォークリフトが停まっている。
陸揚げ作業が行われたHバースからコンテナをここまで運んできたのだろう(26.8.22 星野 撮影)

リバティ・ニューヨークから陸揚げされて横浜ノースドックの野積み場に並べられたと見られるコンテナや車両を、別の角度から見た写真(26.8.25 星野 撮影)



複数の車両に「48BDE 110CM」、「45HR」と表示されているのが見える(26.5.25 星野 撮影)

コンテナにも「45HR」と書き込まれているのが見える(26.8.25 星野 撮影)

第48化学旅団第110CBRN大隊第45CBRN中隊(危険物対応)が韓国にローテーション展開されたことを報じる米陸軍公式HPの記事に添付された写真。
米陸軍公式HP2024年4月8日付け記事「US Army CBRN company assumes rotational mission near Korean Demilitarized Zone」より引用。
https://www.army.mil/article/275089/us_army_cbrn_company_assumes_rotational_mission_near_korean_demilitarized_zone

上の写真の一部を拡大したもの。装甲車の前面に「48BDE 110CM」、「45HR」と表示されている。
横浜ノースドックに陸揚げされた車両と同じ部隊所属の表示だ。
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