横浜ノースドックに陸軍揚陸艇備蓄の第二弾
運び屋は今回もディエゴガルシアの事前集積艦

8月25日の第一弾に続き、ノースドックに運び込まれる揚陸艇などを積んだ船が、9月6日に横浜港に到着した。神奈川新聞の報道によれば、今回は大小合わせて16隻の陸軍の小型舟艇を積んできたという。下の写真でアメリカン・コーモラントに積まれている右側の巾の広いのが6隻、左側の巾の狭いのが5隻×2列とすると勘定が合う。6日、7日は視程が悪く、根岸沖の投錨地からノースドックまでのタグボートでの搬送ができなかったのだろう。積んできたままで待機していたと考えられる。

ストロング・バージニアンの任務が変わった

8月25日の第一弾はストロング・バージニアンが運んできた。この船と今回のアメリカン・コーモラントは、もう一隻のクレーン船ゴーファー・ステートと3隻で組になり、陸軍の "Port Open Package" を船内に備蓄していた(MSCの"Combat Prepositioning Force" のページより)。備蓄していた、と過去形で書いたのにはわけがある。この一週間の間に、このページの記述からストロング・バージニアンが消えたのだ。同船が横浜ノースドックに積荷を下ろして出港したのが8月31日だから、その直後に記述が変わったのだ。
これは、ストロング・バージニアンが陸軍の"Port Open Package" 備蓄任務を解かれたことを意味するのだろう。ディエゴガルシアで海上保管されていた陸軍物資の一部が横浜港に移し変えられた可能性が非常に強い。
アメリカン・コーモラントの積んできた陸軍用の舟艇も同じだろう。そしてアメリカン・コーモラントの任務も変わるのではないだろうか。MSCの"Combat Prepositioning Force"のページの同船についての記述が変われば、この見方が裏付けられるだろう。

次なる動きは?

もう一つ、予測を述べておきたい。米軍からの通告によれば、ノースドックに運び込まれるのは全部で30隻ほどだとのこと。残りの約10隻はどんな船が運んでくるのだろうか。筆者は、クレーン船ゴーファー・ステートではないかと予測している。ディエゴガルシアで保管していた"Port Open Package"は、3隻分まとまって機能するものだろうから、同じところに集めておくのが自然ではないか。船に積んであったものをノースドックに移して、船は事前集積艦として別のものを積むか、もしくは貨物船として予想される戦域に戦車などを運ぶ、というのがねらいではないだろうか。
大きな意味でのイラク攻撃のための布陣、ということにはなるのかもしれないが、イラク攻撃の準備に本国より近い横浜に陸軍の舟艇を集めた、という単純なものではなさそうだ。(RIMPEACE編集部)



事前集積艦アメリカン・コーモラントに積まれてきた揚陸艇など(2002.9.8)


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