鯨キラーの海洋調査船、横須賀・横浜に寄港


米海軍が開発した低周波アクティブソナーを東アジアの太平洋岸(日本海、東シナ海、南シナ海、フィリピン海の一部を含む)で使用することについて、米環境保護団体との間で話がついた。高出力の低周波を出すために、海洋生物への影響が問題になり、数年越しの交渉が続いていた。
鯨の集団死と潜水艦のソナーの関係については、共同通信が10月9日に配信している。音波は銛よりも強し、ということだろうか。
低周波アクティブソナーに関する米海軍のWebページに、鯨などへの影響を3フェーズに分けて実地調査した結果が載っている。このとき、音源を搭載していたのが海洋調査船コリー・ショウエストだ。これらの実験で、海中の鯨の被爆は150dBを超えたという。
このコリー・ショウエストが、9月28日から10月8日まで沖縄周辺海域で行われた日米合同対潜訓練に参加していた。琉球新報(10.17)によれば、音響測定艦エフェクティブや米海軍の原潜二隻も参加した。自衛隊のディーゼル潜水艦、横須賀にいる米駆逐艦隊、海自の護衛艦隊も参加したと見られる。
この合同訓練で、新型ソナーが使われたかどうかは定かではないが、コリー・ショウエストが音源を搭載して、原潜やディーゼル推進の潜水艦を探すための訓練をしたことは想像に難くない。
このコリー・ショウエストは、合同訓練前の9月1日から18日まで、横浜ノースドックに滞在していた。その後、訓練前と終了後に那覇軍港に寄港し、その後横須賀と横浜ノースドックに短期間入港した。
それぞれ二日程度の寄港で出港しているが、これまでの寄港パターンから見て短い滞在だ。パールハーバーに報告しに行ったか、それとも次の訓練のための出港なのか?
コリー・ショウエストとともに訓練に参加したエフェクティブは、横浜ノースドックに同日寄港し、「相棒」が出港した後も残って、物資の補給などを行っている。

(RIMPEACE編集部)


10月19日、横須賀基地に停泊中のコリー・ショウエスト


10月22日にエフェクティブと並んで横浜ノースドックに停泊中のコリー・ショウエスト

'2003-10-28|HOME|