横浜ND備蓄セット、また韓国での演習に (9)

LCU2035はタイからNDに曳航されてきた


サルボアに曳航されて5月24日にノースドックに戻った大型揚陸艇ポート・ハドソン(LCU 2035)(奥)(2015.5.26 撮影)


ポート・ハドソンの積荷のタンクローリーが降ろされた。(5.29 撮影)

韓国で行われるC/JLOTS演習に参加するはずのLCUが、まだノースドックにいる。2年前にポハンでの演習にノースドックから初参加した2隻のLCUのうちの1隻が、エンジン回りに トラブルを抱えているらしい。

6月3日付けのNAVY NEWS "USNS Salvor Successfully Tows Army LCU to Japan"によると、このLCU・ ポート・ハドソンは、沖縄からコブラ・ゴールド演習の支援に3月にタイに向 かった。演習終了後エンジントラブルのため、日本に戻れなくなった。日本で物資を補給した後、C/JLOTS演習の支援に向かうはずだったポート・ハドソンは、海軍の救難艦サルボアに曳か れて沖縄に戻ってきた。

NAVY NEWSには沖縄としか書いていないが、実際はホワイトビーチに3日間滞在した。その後再びサルボアに曳かれて5月24日に横浜ノースドックに到着した。26日には黄色いタンク ローリー2隻などを積んでいたが、29日にクレーンで吊り上げられて車両は陸に上がった。エンジンが治らず、韓国行きを断念したのではないだろうか。

呉経由で沖縄からノースドックに戻ってきた大型揚陸艇コントレラスとともに、わきに押しやられた形のポート・ハドソンに代わって、大型揚陸艇コアモ(LCU 2014)とハーパーズ・フェリー (LCU 2022)が、埠頭に残るコンテナなどを積んで韓国の演習地に向かうと思われる。

戦時備蓄としてノースドックにじっとしているイメージだったLCUが、ポート・ハドソンとコントレラスを継いで日本国外での輸送任務に出ることになろう。
NAVY NEWSの中で救難艦サルボアの潜水・引き揚げ調整主任は「陸軍第10地域支援群はLCU10隻を持っている。そして第7艦隊の責任エリアにいつでも物資を運搬するという重大な 任務を果たしている」と語っている。

海軍にまで備蓄のLCUを活用することが周知の事実となっている。10数年前にノースドックに「備蓄品」といわれて信じていた自治体や住民には何も知らされずに、陸軍の大輸送部隊が横浜に 登場している。

(RIMPEACE編集部)


韓国での演習参加のための出港が遅れている、ノースドックのLCU。左の2隻は積み荷を降ろされたままだ(6.12 撮影)


タイからポート・ハドソンを曳航してきた救難艦サルボア。到着してすぐに横須賀に向かい、6月3日に出港した(5.31 撮影)


2015-6-12|HOME|