横浜ノースドックから始まったオリエント・シールド演習 (4)

陸軍の車両・物資、ノースドックから東富士に


9月8日の午前に横浜ノースドックのHバースに接岸したオーシャン・ジャズは、到着の直後からコンテナや車両を降ろし始めた。そして、翌9日の昼頃までには、コンテナや車両の陸揚げはほぼ終わっていた。

 陸揚げされた車両などは、トレーラーに積まれるなどして、東富士演習場に向けて次々に搬出されていった。

 オーシャン・ジャズから降ろされたコンテナのなかには、各種の危険物が収納されていることを示す表示が付けられたものもあった。そうしたコンテナも、横浜の街を通って東富士演習場へと搬出されていく。安全管理は大丈夫なのだろうか。横浜市をはじめ沿道の自治体や人びとに、情報は伝えられているのだろうか。横浜市など自治体は、危険物表示がなされたコンテナについて、その中身を防衛省や米軍に確認すべきではないか。


貨物船から陸揚げされたコンテナー。引火性、腐食性のある物質が収められていることをしめすラベルが貼ってある(2017.9.8 頼 撮影)

ヘリ、ノースドックから東富士へ


9月9日の午後には、オーシャン・ジャズの船倉の蓋が開けられて、ローターを折りたたんで船倉内に収容されていたUH60ブラックホークヘリが、クレーンで持ち上げられて次々とノースドックのHバースに降ろされていった。その作業は夕方18時頃まで続けられ、陸揚げされたブラックホークヘリは、全部で13機にもなった。そのうちの3機は、赤十字マークをつけたレスキューヘリだった。

 翌10日、ノースドックに並んだ13機のブラックホークのうち、3機のレスキューヘリが午前中に東富士演習場にむけて飛び立ち、昼過ぎ頃には5機がひとかたまりとなって東富士演習場に飛行していった。

 9月10日に横浜ノースドックを飛び立ったブラックホークヘリのなかには、超低空で横浜港内を飛ぶ、きわめて危険な飛行をするものもあった。横浜港は、米軍の演習場ではない。航空特例法があるとしても、航空法の規制を米軍も尊重する義務があるはずだ。明らかに通常の「移動」とは異なる不要で危険な飛び方をすることは、市民を危険に曝すことであり、絶対に許されない。

 9月11日の12時過ぎには、残りの5機のブラックホークがプロペラを回しだしたが、途中で1機、プロペラを停止した。不調が見つかったのだろう。結局、このときに飛び立ったヘリは3機だった。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


貨物船からクレーンで下ろされる米陸軍のUH60ブラックホーク。全部で13機降ろされた(2017.9.9 星野 撮影)


2017-9-14|HOME|