横浜ノースドックから始まったオリエント・シールド演習 (5/止)

陸自のノースドック共同使用の実態は



船からおろされた車両やコンテナの一部は、陸自の隊員により陸自のトレーラーを使って運ばれた(2017.9.11 頼 撮影)

 今回横浜で実施するオリエントシールド演習の内容として、国が横浜市に対して口頭で説明したという、横浜ノースドックでの自衛隊による米軍車両やヘリへの給油活動については、それがどのように行われたのか、今回の私たちの監視でははっきりと把握することができなかった。

また、8月25日に日米合同委員会が発表した文書に地図で示された6000uの「共同使用区域」がどのように「共同使用」されたのかも、よく分からなかった。

日米合同委員会が合意したという共同使用区域は、地図で見る限り、横浜ノースドック中央部の芝生で覆われたグラウンドにあたる。しかし、今回の一連の陸揚げ作業で、米軍の車両やコンテナ、ヘリなどがオーシャン・ジャズから降ろされて並べられた場所も、ブラックホークヘリが飛び立った場所も、いずれも、この芝生で覆われたグラウンド以外の場所だった。
共同使用区域として発表された場所にテントなどが立てられて自衛隊の部隊が常駐していたわけでもない。共同使用区域として発表されたグラウンドでは、私たちが見ている限りでは、陸揚げ作業の期間中、ほとんど何事も起こらなかった。9月8日に、芝刈り機のような小型車両がグルグル回っているのが見受けられた程度である。もちろん、私たちが見ていなかった時間帯に、何かが行われた可能性も否定はできないが。

 横浜ノースドックで、日米合同演習は結局どのように実施されたのか、共同使用区域として発表された場所はどのように使われたのか、あるいは発表された内容から変更があったのか、まだまだ不明な点が多く存在している。これらは、日米合同委員会の合意の発表内容の正確さにもかかわる問題だ。なおざりにはできないはずだ。

(RIMPEACE編集部 星野 潔)


2017-9-14|HOME|