2017年9月  横浜ノースドック  米艦船在港状況 Y:横須賀、NH:那覇軍港、WB:ホワイトビーチ、NG:名古屋、MK:三河、KW:川崎、PH:ポハン
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CALABOZA (LCU 2009) out WB WB WB WB WB PH 揚陸艇
BROAD RUN (LCU 2007) out WB WB SUBIC====> 揚陸艇
GREEN LAKE (T-AKR) Guam in out NG NG MK KW KW 自動車運搬船
OCEAN JAZZ (T-AK) in out 貨物船
SEA VENTURE Yin Y Y out in 調査船
DAYBREAKS BELL (T-AK) 苫小牧 i/o 貨物船
しゅれいU NH NH NH i/o 貨物船

2017年9月は、ノースドックの、米軍の演習支援拠点としての機能がフルに発揮された月となった。

まず、9月5日の午前中に日本船籍の民間貨物船(ローロー船)のデイブレイクス ベル(DAYBREAK'S BELL)が入港してHバースに接岸し、数時間後に出港した。デイブレイクス ベルは、米海兵隊の装甲車LAV−25を6両と、ハンヴィー、軍用ブルドーザー各1両の合計8両の軍用車両を苫小牧から横浜に運び込んだ。

これらは、8月に北海道で行われた陸上自衛隊と米海兵隊との日米合同演習「ノーザンバイパー」に参加した海兵隊の車両の一部とみられる。横浜に運び込まれたのは、9月24日から10月4日まで東富士演習場で行われる、沖縄県道104号線越え実弾射撃演習の分散・実施に参加するためとみられる。

 次に、9月8日、米軍のMSC(Military Sealift Command、軍事海上輸送司令部)がチャーターしている米国船籍の民間コンテナ貨物船オーシャン・ジャズが、米陸軍の車両、ヘリ、物資を満載して入港した。

 これらの車両、ヘリ、物資は、9月8日から25日まで実施された日米共同軍事演習オリエントシールドに参加する米陸軍側の武器・装備だ。防衛省発表によれば、横浜ノースドックの「一部土地」も、オリエントシールド演習のために日米共同使用されたという。横浜ノースドックでの米軍と自衛隊の共同軍事演習実施が発表されたのは、初めてのことだ。

 オーシャン・ジャズの横浜寄港とその後のオリエントシールド演習実施は、米陸軍にとっては東アジア太平洋地域で各国との共同軍事演習を連鎖的に実施していく「パシフィック・ペースウェイ」の一環でもあった。

 オーシャン・ジャズは、オリエントシールド演習期間中ずっと横浜に居座って、演習に参加したヘリ、車両、物資を回収して、9月30日に出港した。

さらに、9月20日の午前中には、沖縄の海運会社が所有する日本船籍の貨物船(自動車運搬船)しゅれいU(SHUREI2)が横浜ノースドックに接岸して、数時間後に出港した。
 しゅれいUは、大量の軍用車両、155ミリりゅう弾砲、物資をノースドックに運び込んだ。これらは、9月24日から東富士演習場で行われる沖縄の県道104号線越え実弾射撃演習の分散実施に参加する米海兵隊の武器・装備とみられる。

 それらの他に、9月16日から17日にかけて、自動車運搬船グリーン・レイクがHバースに接岸した。グリーン・レイクからは、米陸軍のベースキャンプセットであるフォースプロバイダーのコンテナが陸揚げされた。陸揚げされたフォースプロバイダーコンテナは、相模総合補給廠に搬入された。

 また、9月30日、貨物船オーシャン・ジャズ横浜出港のわずか数十分後には、海洋調査船シー・ベンチャーが横浜ノースドックに入港した。

 なお、派遣されていた沖縄から8月後半に横浜ノースドックに相次いで戻ってきていた2隻の米陸軍大型揚陸艇(LCU)のカラボザとブロードランは、9月18日に再び横浜を出港した。出港後、沖縄のホワイトビーチに入港した後、9月末にはカラボザは韓国のポハンに向かい、ブロードランは、フィリピンのスービックに向かった。


2017-10-3|HOME|