2018年11月  横浜ノースドック  米艦船在港状況 H:横浜ND、NH:那覇軍港、RB:レッドビーチ、WB:ホワイトビーチ、IW:岩国、HKT:博多、    PH:ポハン、BS:ブサン、SP:シンガポール、SDi:サンディエゴ
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30      
SLNC GOODWILL (T-AO) S Hin H H H H H H H H H H H H H H H H H H H H H H H H H out Hin タンカー
BROAD RUN (LCU 2007) NH NH NH NH NH NH NH NH NH NH NH NH NH Hin H H H H H H H H H o/i H H H 揚陸艇
GREEN LAKE (T-AKR) Hin out  === Vancouver === SDi HEUNEME 自動車運搬船
GUAM (HST 1) S S S out RB Hin H H out PH Hin out WB NH NH NH SP SP SP SP SP SP SP SP SP SP 高速輸送船
MILLINOCKET (T-EPF 3) ======================= SUBIC ======================== NH Hin H H H H H H H H out 高速輸送船
OCEAN GLORY (T-AK) Hin out IW IW NH BS BS BS BS BS NH 貨物船
WAKANATSU (T-AKR) HKT NH NH Hio NH 自動車運搬船
HOWARD O LORENZEN (T-AGM 25) Sin S S S S S S out Hin H H H H H out ミサイル追跡艦
IMPECCABLE(T-AGOS 23) Hin H out 音響測定艦
OCEAN INTERVENTION OTARU Yin Y Y Y Y Y Y Hin H H H H H H H H out Hio  == HAKODATE == 海洋調査船

この11月には、ノースドックでは多くの船の出入りが見られた。

自動車運搬船グリーン・レイクが11月1日に入港し、翌2日の宵の口には出港して米国西海岸に向かった。今回の寄港でグリーン・レイクは、7月後半から横浜ノースドックに置かれていたモスボール加工されたFA18スーパーホーネットを米本国に持ち帰るために積み込んだ模様だ。

11月3日には、横須賀の吾妻島を離岸したタンカーのSLNCグッドウィルがノースドックに入港し、その後、Eバースに接岸したまま長居を続けている。11月29日の朝に一旦出港したものの、大島沖付近を行ったり来たりした挙げ句、11月30日には再びノースドックに戻ってきてしまった。SLNCグッドウィルは、韓国の蔚山から横須賀基地吾妻島燃料岸壁に燃料を運び込む任務を2016年の2月頃から担ってきた大型タンカーだ。横浜ノースドックへの入港は初めてだが、SLNCグッドウィルと同じ仕事をしていた大型タンカー、マースク・ピアリが2015年5月にNDに入港して長居をしたことがある。マースク・ピアリの時と同様に、SLNCグッドウィルも、横須賀の岸壁のキャパシティの都合で、ノースドックに回されてきたのではないか。横須賀軍港と横浜ノースドックが一体的に運用されていると言えるのかもしれない。

11月6日夜、高速輸送艦グアムが沖縄からやってきた。入港前のBバースにはコンテナが並べられていた。7日にはそれらのコンテナや小型の荷物、小銃などを積み込んで9日に出港した。11月10日に韓国のポハンに入港したグアムは、その日のうちにポハンを出港し11月11日には再び横浜ノースドックに入港した。翌12日には横浜を出港して沖縄に向かった。なお、その後グアムは、11月17日に那覇軍港を出港してシンガポールに向かっている。

11月9日の夜には、貨物船オーシャン・グローリーが入港した。この船は、米海軍のMSC(軍事海上輸送司令部)がチャーターしている米国船籍の民間貨物船だ。オーシャン・グローリーは今回、横田基地及び岩国基地で展開訓練を行った嘉手納基地所属のパトリオットミサイル部隊を沖縄に撤収するためにハワイからやってきた。11月10日にミサイル発射システムを構成する車両などを船積みして、10日の夜にはノースドックを出港して岩国に向かった。

11月12日の朝、沖縄の海運会社の自動車運搬船わかなつがノースドックに接岸した。わかなつは、普段は博多・鹿児島と那覇を結ぶ航路で使用されている自動車運搬船だが、今回の寄港は、10月25日から11月5日にかけて北富士演習場で行われた、沖縄県道104号線越え実弾射撃演習の分散・実施で使用された車両や物資、155ミリりゅう弾砲を積み込んで沖縄に運搬するためのものだ。わかなつが入港する前日の11月11日には、海兵隊車両がノースドックのHバース付近に並べられていた。わかなつは、12日の午前中にはそれらの車両などの船積みを終え、慌ただしく沖縄に向けて出港していった。

11月13日、米民間海洋調査船オーシャン・インターベンションが横浜ノースドックに入港した。オーシャン・インターベンションは、今年、北海道周辺などで調査活動を続けている小型民間海洋調査船だ。横浜ノースドックへの寄港は、9月8日に数時間立ち寄って以来のことだ。今回は23日まで滞在して出港した後、翌24日に一旦戻ってきて同日再び出港した。

11月17日、LCU(米陸軍大型揚陸艇)のブロードランが那覇軍港から戻ってきた。ブロードランは、ノースドックに係留保管されていることになっている10隻のLCUのうちの1隻だが、2017年1月以降沖縄に派遣されて、小型輸送船として東南アジアから韓国、日本に至る米軍の輸送や演習支援業務に使用されてきた。11月27日に短時間出港して航行した頃に甲板に積んでいたコンテナを降ろし、また11月後半にはそれまでマストに掲げていたえんじ色の米陸軍輸送科の旗を掲げなくなったので、今回の横浜入港で輸送船業務を終了して別のLCUにそれを引き継ぐものと思われる。

11月18日には、ミサイル追跡艦ハワード・O・ロレンゼンが入港した。この船も今年9月に横浜ノースドックに寄港しており、2ヶ月弱でまた戻ってきたことになる。今回は11月24日までノースドックに滞在した。

11月20日、高速輸送艦ミリノケットがBバースに接岸した。ミリノケットは通常、沖縄以南での米海兵隊の日常的な輸送業務を担っている高速輸送艦だ。しかし、沖縄以北を担当していたグアムが11月後半にシンガポールに向かったのと入れ替わるように、横浜にやってきた。ミリノケットは今回の寄港で小型コンテナなどを横浜に陸揚げした。11月29日にノースドックを出港したが、その後、12月2日にフィリピンのスービックに入港している。

11月26日から28日にかけて、音響測定艦インペッカブルが寄港した。インペッカブルは、今年の7月22日から26日にかけて2009年以来久しぶりに寄港している。近年は佐世保を拠点として活動していたのだが、11月前半には北海道東方の海域で活動していたようだ。


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