2019年6月  横浜ノースドック  米艦船在港状況 H:横浜ND、NH:那覇軍港、WB:ホワイトビーチ、IW:岩国、PH:ポハン、BS:ブサン
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GUAM (HST 1) NH NH NH NH NH NH NH NH NH NH NH NH IW Hin H H out PH BS BS BS BS BS NH NH NH NH NH NH 高速輸送船
MONTFORD POINT (T-ESD 1) Hin H H H H H H H H H H H H H H H H H H H H H out 揚陸補助艦
LOYAL (T-AGOS 22) H H H H H H H H H H H H H H H H out WB WB WB 音響測定艦
EFFECTIVE (T-AGOS 21) H H H H H H H H H H H H H H H H H H H H H H H H H H H H H H 音響測定艦
VICTORIOUS (T-AGOS 19) Hin H H 音響測定艦
OCEAN INTERVENTION H H H out   HAKODATE  ====== HAKODATE ====== 海洋調査船

 揚陸補助艦モントフォード・ポイントが6月1日に寄港し、23日まで滞在した。モントフォード・ポイントは、2016年から17年前半にかけて、まるで横浜ノースドックを母港としているかのように長期滞在を続けたが、2017年8月に約4日間寄港した後、横浜からは姿を消していた。LCACと組み合わせて短時間での揚陸作戦を可能とするこのモントフォード・ポイントは、6月23日の横浜出港後、日本列島に沿って南西方向に向かった。

 5月26日にグアムから横浜にやってきて滞在していた民間海洋調査船オーシャン・インターベンションが、6月4日にノースドックを出港した。出港後、本州東側沿岸を非常にゆっくりとした速度で北上し、函館に向かった。その後、函館を拠点に周辺海域の調査活動を行っている模様だ。もちろん、民間海洋調査船と言っても、ノースドックに滞在するということは、米軍の業務として日本の海域の調査活動を行っているのだろう。学術研究などではなく、米軍のために日本の海域を調査しているのだ。

 高速輸送艦グアムが、6月14日から17日までノースドックに滞在した。グアムは5月には横浜に姿を見せなかったので、4月22日以来の横浜寄港だ。入港直前のBバース近くには、背嚢を大量に束ねたように見える物資の山がいくつも置かれていたほか、小型コンテナその他の物資が並べられていた。また、グアム滞在中の6月17日の昼頃には富士急行のバスが何台もノースドックに現れ、荷物を持った大勢の海兵隊員が次々とグアムの方に向かう様子が確認された。おそらくキャンプ富士からやってきた多数の海兵隊員が、横浜でグアムに乗艦したのだろう。グアムは横浜出港後、韓国のポハンに入港している。キャンプ富士から韓国に向かう米海兵隊の中継地として横浜が使われたということだろう。

 5月25日にノースドックに入港していた音響測定艦ロイヤルだが、6月3日頃、船橋上部のマスト周辺に足場が組まれ、その後何らかの作業が行われた。足場は遅くとも6月12日頃までには撤去された。昨年来横浜ノースドックに次々と入港するようになった音響測定艦は、いずれも入港後、船橋上部のマスト周辺に足場が組まれる様子が確認されたが、ロイヤルについても同様の作業が行われたということだ。ノースドックが、米海軍音響測定艦の何らかの改修ないし整備工事を行うことができる拠点として使用されるようになったということだ。ロイヤルは、船橋上部のマスト周辺の足場撤去後、6月17日に横浜を出港し、28日には沖縄のホワイトビーチに現れている。

 ロイヤルよりも先に、4月20日に横浜ノースドックに入港した音響測定艦エフェクティブは、6月も改修、整備工事が続いている。5月にレドーム取り付けと船橋上部のマスト周辺に足場を組む工事が行われたが、船橋上部の足場は、6月7日頃までには撤去された。しかし、その後も整備作業が続けられている模様だ。6月下旬には、ソナーをつり下げるために使われるものと見られるリールがエフェクティブの近くの埠頭上や、バージの上に置かれている様子が確認された。6月26日には、オレンジ色のボートがエフェクティブに新たに搭載されたが、搭載の前にはそのオレンジ色のボートでノースドック近くの横浜港内を高速で走り回る訓練が行われていた。

 6月28日には音響測定艦ビクトリアスが横浜ノースドックに入港した。ビクトリアスは、今年1月から3月にかけて横浜ノースドックに長期滞在しており、3月21日以来の寄港だ。

 なお、以前はEバースとDバースの間に係留されていたクレーン・バージが、5月頃よりBバース寄りに係留位置を変えた。この6月下旬には、Aバースにそれぞれ埠頭に横付けする形で係留されていた2隻のLT(ラージ・タグ)のうち、ゼブロン・パイクがナサナエル・グリーンに横付けする形で2隻つながって係留されるようになった。さらに、その空いたAバースのスペースには、LCU(大型揚陸艇)のポート・ハドソンが係留されるようになった。こうした係留場所の変化は、ノースドックの音響測定艦の拠点化に対応するものではないか。つまり、複数の音響測定艦を同時に停泊させ、さらにそれ以外の自動車運搬船などの船舶をも同時に停泊して作業ができるようにするためには、米陸軍揚陸セットの係留場所の再編が必要になったということだろう。


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