フリゲイトからミサイル発射機撤去
「対テロ戦には役立たず」


3月3日にドライドックから出てきたゲアリー(51番)(04.3.5撮影)
後ろのバンデグリフト(48番)と比べると、ミサイルランチャーが無い


3月3日に横須賀基地の4号ドライドックから、フリゲイト艦ゲアリー(FFG 51)が出てきた。定位置の三番バースに着き、作業船が横付けされた。
隣り合わせの二番バースには同じオリバー・ハザード・ペリー級フリゲイト、バンデグリフト(FFG 48)がいる。同型のはずの二隻に外見上の大きな差があった。48番のバンデグリフトに装備されているミサイルランチャーが、51番ゲアリーからは取り払われていた。
3月6日付け星条旗紙の記事の中で、ゲアリーの広報担当者は語っている。「米海軍のすべてのフリゲイトから、ミサイルランチャーは外されつつある。小型のボートに爆薬を積んで突っ込んでくるテロとの戦いには役に立たない。それにミサイルランチャーはほとんど使われていない」

この記事によれば、機銃数基とミサイル欺瞞装置が新たに装備されたという。横須賀のイージス巡洋艦二隻に銃座が取り付けられたのと同じ考え方から、といえる。
空母を潜水艦や航空、ミサイル攻撃から防衛する最前線というのがフリゲイト艦の過去の主要な任務だった。冷戦が終結したあと、米軍が一方的に「対テロ戦」を繰り広げるなかで、フリゲイト艦の任務に大きな変化が生じている証拠が、今回のランチャーの撤去であり、機銃の追加装備だ。

洋上での艦隊決戦を前提とした艦隊の構成は、過去のものとなっている。それでは、横須賀にこれだけの艦船を置いておく必用があるのだろうか、という疑問が当然出てくる。そもそも、30年以上前に始まった空母の常駐が、なぜ今も必用なのかという疑問がある。艦載機の爆音やバース延長工事による環境汚染など、空母が居るがゆえの基地被害を、周辺住民はまともに受けている。日本政府は、この根本的な疑問への答えを出す気があるのだろうか。

(RIMPEACE編集部)


'2004-3-7|HOME|