駆逐艦オブライエン、横須賀を去る
イージス駆逐艦と交代、退役へ


横須賀基地を出る駆逐艦オブライエン(5月6日朝8時半過ぎ)


僚艦のイージス駆逐艦カーティス・ウィルバー(右)が見送る中、浦賀水道に向かうオブライエン

横須賀に常駐していたスプルーアンス級駆逐艦オブライエンが、退役のため米本国に向かった。替わって配備されるのは、イージス駆逐艦フィッツジェラルドで7月に到着する予定だ。1992年10月に横須賀に配備された現常駐戦闘艦の最古参も、イージスシステムを装備するアーレイバーク級駆逐艦に「駆逐」された形だ。

横須賀常駐艦の交代の歴史は、戦力増強の歴史でもある。同型艦にスライドすることはあっても、交代によって攻撃力がダウンしたり、艦船の数が減るなどということはない。このオブライエンが横須賀に配備されたときは、艦船1隻の純増で、全10隻態勢から11隻態勢となった。その後も、フリゲイト2隻が順次イージス駆逐艦カーティス・ウィルバー、JSマケインに交代、駆逐艦がイージス巡洋艦ビンセンスに交代して、戦力アップが図られてきた。(非核市民宣言運動・ヨコスカ 調べ)

今回のオブライエンの交代は、ミサイル防衛計画との関連も疑われる。この9月から、日本海にイージス駆逐艦をミサイル防衛のレーダーサイトとして配備する計画が公開された。見張りのローテーションを考えたら、横須賀に3隻同型艦を配備するのは、米軍から見て自然なことだろう。「日本海での見張り」「空母の随伴」「ドックと休養」をローテーションで回すには、最低3隻が必要だ。

6日朝、オブライエンの出港より一足先に横須賀港を出たカーティス・ウィルバーは、防波堤の外の錨地で投錨し、VLSへのミサイル積み込みの態勢に入った。しかし、オブライエンが出てくると、いったん錨をあげ、オブライエンの航路に直角に位置して、オブライエンを見送った。スプルーアンス級が去り、アーレイバーク級がその後を引き受ける今回の異動の、象徴的なシーンだった。

(RIMPEACE編集部)


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