10月27日午後の横須賀基地。マスターピア・イーストにフィッツジェラルド、第7バースにジョン・S・マケイン、そして第11バースにもう一隻のイージス駆逐艦が停泊している。
空母の陰になって艦番号が読めない11バースのイージス駆逐艦は、カーティスウィルバーである可能性が大きい。カーティスウィルバーが横須賀の常駐艦であること。また、在港が26日から確認されているが、これは22日に佐世保を出港したこととの整合性があるからだ。
ミサイル防衛の探知担当の第1号として、9月末に横須賀を出て日本海に展開したのがカーティス・ウィルバーだ。11号バースのイージス駆逐艦がカーティス・ウィルバーだとすると、この船は正味2週間しか日本海に居なかったことになる。台風避難で10月16日から22日まで佐世保基地に入港していたからだ。
22日にいったん横須賀を出港したジョン・S・マケインも戻ってきた。今、日本海にはイージス駆逐艦は展開しているのだろうか。少なくとも台風23号の通過する期間は日本海には居なかっただろう。いつミサイルが飛んでくるかわからないから、という理屈で何隻ものイージス艦を投入するミサイル防衛計画のうち、探知担当のイージス艦配備が鳴り物入りで本番に入ったが、早速息切れした、ということなのだろうか。
ミサイル防衛システムを、日本も巻き込んで莫大な金をかけて構築しようとしているが、そもそもミサイルの脅威というものが現実化しているのだろうか。息切れしたのではなく、本気でとりくむような時期ではないことを、米軍の動きが示しているのではないだろうか。
(RIMPEACE編集部)