平和船団ヨットのワイヤー切断

米軍警備艇の意図的な危険操船


平和船団おむすび丸、米軍警備艇、海保かしおぺあの位置関係図

"1"で米軍警備艇が真横を高速で通過。波が発生しておむすび丸が大きくゆれる。 "2"で米軍警備艇がおむすび丸の鼻先を高速で通過。その波に乗り上げて、激しくゆれ、マストを支えていたワイヤーが切れた。
11月8日に米軍と話し合ったときに、このページに対する唯一の注文が、この図では米軍警備艇が海保の船の周りを回って妨害しているように見える、というものだった。
警備艇は1度海保の船の後ろで停止していて、海保の妨害はしていない。妨害されたのはあくまでも平和船団なのだ。(04.11.11 追記)


警備艇の航跡から、平和船団の直前を横切り、再びコースを横切ろうとしていることがわかる。(04.10.31 撮影)

毎月最後の日曜日は、ヨコスカ平和船団の行動日だ。10月31日は、原子力空母の母港化反対のプラカードを掲げて、港内デモを行った。

ヨコスカ本港を回って、長浦港に向かおうとしたときに、2隻の米軍警備艇のうちの1隻が急に接近してきた。わざとスピードを上げて、大きなV字波を発生させ、平和船団のヨット「おむすび丸」を大きく揺らしていった。警備行動としてはまったく不要な危険な動きだ。

こういう嫌がらせはいつものことだが、今回はすぐ近くを通りぬけ、それだけ揺れも激しかった。これで引き上げるのがいつものパターンなのだが、この日は何を考えたのかもう一度襲いかかってきた。真横を追い越したあと、急カーブを切っておむすび丸の前を高速で通過した。

ヨットは前後左右に大きくゆれて、マストを支えるワイヤーが切れた。激しい揺れの中で、マストを折りたたんで応急措置を終えるのを、警備艇は斜め後ろについてじっと見ていた。物損を与えてしまったこと、それも海上保安庁が見ている前で、というので、先ほどまでの「元気」はどこへやら、しっぽをしまった犬のように急におとなしくなった。

平和船団の海上デモが合法的な活動であり、強制的な排除が出来ないことは米軍も承知している。だからいやがらせを行うのだが、今回はそれが極めて危険な状況を引き起こした。これは米軍の軍務の中で発生した物損事故だ。

沖縄のヘリ墜落事故の報告書に、基地外での兵士の行動の制限を定めた規則が添付されていた。しかし、事故の直後の海兵隊員の行動は、まったく暴力的で軍が決めた規則にさえ反するものだった。今回のワイヤー切断事故も根は同じだ。現場での違法な強行手段を軍内部で容認する傾向がなければ、こんなに規則違反が頻発するわけがない。今回は海上保安庁がすぐそばで現認している。揉み消しは不可能だと知るがいい。

(RIMPEACE編集部)


切れたワイヤー。おむすび丸のマストを支えていたワイヤーのうちの一本だ

2004-10-31|HOME