「くじら殺し」2艦、横須賀に集まる


6月8日の横須賀基地。インペッカブルとコリーショウエスト


(左)音響測定艦インペッカブル、(右)海洋調査船コリーショウエスト

「台風に弱い」インペッカブルが、4号台風がゆっくり北上する間に戻ってきた。ただし、「定宿」の横浜ノースドックではなく横須賀基地に。海洋調査船コリーショウエストも一緒だ。

この2隻をつなぐものは、いわずと知れた新型低周波アクティブ(LFA)ソナーだ。海洋生物に影響を与えるといって米国の近海での使用が制限され、極東海域で使用が続けられているもので、インペッカブルに搭載されることになっていた。インペッカブルの就役が遅れたために、コリーショウエストが就役までの間、試験を担当していた。しかし、インペッカブルが就役して横浜ノースドックに頻繁に現れるようになっても、コリーショウエストのチャーター契約は小刻みに延長されている。

横須賀基地には艦船修理部(SRF)があり、その点が大きな修理が出来ない横浜ノースドックとは異なる。試験用に装備していた新型のLFAソナーを、コリーから取り外すために横須賀に来た、という可能性も考えられる。

インペッカブルは4月1日に横浜ノースドックを出港し、しばらく行方不明だったが、5月に入って2回、那覇軍港に短い寄港を繰り返している。コリーショウエストは、3月初めに横浜ノースドックを出て、3月半ばにホワイトビーチに寄港、その後はやはり動きがつかめなかった。しかし、両方とも沖縄近海でLFAソナーの性能チェックなどをしていたと思われる。

少し気になるのが、今回コリーショウエストが入港したバースが、いつもは海自の潜水艦が停泊している第2潜水隊群司令部の真横のバースであることだ。探知の難しいディーゼル潜水艦の動きをシミュレートしていると思われる海自の潜水艦隊への表敬訪問から、新型ソナーの売り込みまで、いろいろな可能性が考えられる。

(RIMPEACE編集部)




5月に那覇軍港に2度寄港したインペッカブル。(上:5.3 撮影。下:5.17 撮影)


2005-6-9|HOME