横須賀基地のイージス駆逐艦 05.7.18


出港するカーティス・ウィルバー。翌朝にはバースに戻っていた(7.18 撮影)


横須賀基地・マスターピア・ウェストに停泊中のステザム。16日までは在港が確認されていた(7.15 撮影)


ステザム、カーティス・ウィルバーが出港して、奥まで素通しとなった米軍横須賀基地のバース(7.18 撮影)

7月17日付け朝日新聞に、横須賀のイージス駆逐艦が3隻ともミサイル防衛任務で、奥尻島の西の海域に行っている、という記事が出ていた。「ピースデポ」の調査に基づくものだ。
3隻の駆逐艦が「BMD作戦区域」にいた期間にもずいぶん空きがあることも分かる。鳴り物入りで04年9月末から開始された「海軍版ミサイル防衛」が、実戦配備には程遠いものだったことが分かる。
「北朝鮮のミサイルの脅威」が、四六時中見張っていなければならないものだとは、米軍自身が考えていないことの証拠の一つと言える。
では、今現在、横須賀に配備されている4隻のイージス駆逐艦は何をしているのだろうか。

前述の記事に、航跡図まで書かれていたカーティス・ウィルバーの最近の動きは以下のとおり。6月初めに仙台に寄港した後横須賀にもどり、再び6月27日に出港して、佐世保の掃海艦2隻とともにロシア海軍との掃海訓練に参加、7月3日〜5日はウラジオストックに寄港している。その後横須賀に戻ってきたが、5月18日に出港、すぐに戻ってきている。

6月17日に横須賀に新たに配備されたステザムは、一ヵ月間まったく動かずにマスターピア・ウェストに停泊していた。18日には横須賀から出港していることが確認されたが、それほど長い航海ではないと思われる。04年9月30日に横須賀に配備されたフィッツジェラルドも、オブライエンから引き継いだ乗組員の訓練などで、ごく短期の出港を繰り返しながら、11月30日に出港するまで2ヶ月間横須賀に在港している。ちなみに、フィッツジェラルドが11月末に出港したときの行き先は、前述の朝日の記事によれば奥尻島西方の「BMD作戦区域」だった。

ジョンSマケインは、2月に小樽に寄港したあと、キティーホークに随伴して香港や韓国の港に寄港して、3月28日に横須賀に戻ってきた。その後、4月下旬から5月上旬にかけて2週間横須賀を留守にしている。この2週間という期間は、マケインが一月に「BMD作戦区域」に行っていた期間(前述の朝日記事)ときわめて近い。この間にまた、奥尻島西方に展開していた可能性がある。
その後は短期の出港を繰り返して、5月末からは動いていない。6月7日ころにドライドックに入り、現在も修理が進められている。

フィッツジェラルドは、5月19日に横須賀を出港し、下田の「黒船まつり」に参加したあと、横須賀には戻らず、キティーホークに随伴している。米豪合同演習タリスマン・セイバーにも参加したが、この演習終了後にシドニーに寄港したキティーホークとは別行動だった。シドニーの近くの港に入港し、今は珊瑚海からグアム方面に向かっていると推定される空母に再び随伴しているのだろう。

イージス駆逐艦は、米海軍の中で「馬車馬のように働く」ことを期待されて建造が続けられている。今年の9月には、5隻目のイージス駆逐艦ラッセンが横須賀に配備される予定だ。空母の護衛、ミサイル防衛、中東への派遣などさまざまな任務に対応すべく、横須賀基地は「新鋭駆逐艦の巣」となってきている。

(RIMPEACE編集部)


ドライドック5番に入っているジョンSマケイン。修理中だ(7.18 撮影)


米豪合同演習に参加したフィッツジェラルド。US NAVY のページより(6.24 オーストラリア海軍撮影)


2005-7-19|HOME