横須賀基地12号バースを見る(1)


ブルーリッジの甲板から俯瞰したバースの電源装置


駆逐艦マスティンの受電部につながるケーブルはEのコンセントにつながっていた


マスティンの後部煙突の下部に、バースからの電力の受け口が10口並んでいた。

8月5日の横須賀基地「フレンドシップデー」では、12号バースに泊っているブルーリッジと配備されたばかりのマスティンが公開された。原子力空母配備のために延長・改修された12号バースにはじめて入ってみた。

原子力空母はバースに停泊中、原子炉をアイドリング状態に置くという。したがって、原子炉の冷却水の温度管理や、艦内で必要な電力はバースの電源装置から送られる。通常型空母の停泊時よりもずっと大きい電力が要求される。

改修後の12号バースにはコンセントなどの電源装置がAからFまで6組配置されていた。ブルーリッジとマスティンで満杯の12号バースだったが、2隻の船とつながっていたのはEとCの2組だけだった。電源装置が「過剰」に設置されているのは、原子力空母の配備が前提となっているからだ。

12号バースの中央あたりに大きな変電設備があった。外部から高圧電力を受電・変圧してバースの6組の電源装置に流す設備だ。横須賀基地の各埠頭には変圧装置が設置されているが、そのどれよりも大きな設備だ。

原子力空母を配備するという通告があったのは昨年10月だった。そのとき、12号バースの改修作業は最終段階だった。今年6月に米軍に引き渡されるまで、改修工事は淡々と進んだ。原子力空母の配備が決まっても、受電装置や電源装置を増設する必要が無いほど、はじめから原子力空母に対応できる電力施設で設計されていたことを示している。
それは、原子力空母を前提とした工事ではない、という防衛施設庁の横須賀市への説明がウソだったことの証拠でもある。

(RIMPEACE編集部)(写真はすべて 06.8.5 撮影)


Cのコンセントからブルーリッジの艦内に延びる電源ケーブル


埠頭の奥の変電施設。大型クレーンの電力もこの設備から供給される


'2006-8-6|HOME|