「出直し」バンデグリフト、8月16日出港


自力でバックして6号バースを出るバンデグリフト(06.8.16 撮影)


バンデグリフトの側面には第23駆逐戦隊(DESRON 23)のエンブレムが。

8月16日午前、ヨコスカ平和船団のヨットで横須賀本港に近づくと、6号バースにフリゲイトのシルエットが見えた。
14日にサンディエゴに向けて出港したはずのバンデグリフトだった。

14日の昼過ぎには影も形も無かったから、いったん出港したことは間違い無い。16日付けの星条旗新聞一面には、在日米海軍司令官ケリー少将がバンデグリフトの出港を見送っている"Sayonara,Vandegrift" のキャプションのついた大きな写真が掲載されていた。14日に正式に出港したのに、また戻ってきたということだ。

バンデグリフトは6号バースでバージから給油を受けた後、再び出港した。こういうのを「出直し」と言うんだろうな?
あちこちに寄港しながらサンディエゴに戻るつもりが、台風10号などの影響で取りやめになり、横須賀に出戻って給油を受けるハメになった、ということなのだろう。

16日の「出直し」の時、信号旗などは星条旗紙の写真と全く同じモノが掲げられていたが、一つだけ大きな相違点があった。14日の(ケリー少将に見送られた)出港の時には覆いでもって隠されていた第23駆逐戦隊のビーバーのエンブレムが、16日の出港時にはむき出しになっていた。
約10年間所属した第15駆逐戦隊に対する「気がね」は解消したらしい。

マスティンが横須賀に入港した7月8日は、まだこのビーバーのエンブレムがマスティンの煙突の側面に取り付けられていた。マスティンとバンデグリフトの交代は、第23駆逐戦隊と第15駆逐戦隊の構成艦の交換でもあった。
第23駆逐戦隊司令官の公式ウェブサイトによれば、DESRON23は、マスティンを含めて4隻のイージス駆逐艦で構成されていた。残りの3隻は、ヒギンズ(DDG 76)、ジョン・ポール・ジョーンズ(DDG 53)、ピンクニー(DDG 91) だ。
バンデグリフトがマスティンと交代したから、サンディエゴの第23駆逐戦隊は駆逐艦3、フリゲイト1の4隻となる。
これに比べて横須賀の第15駆逐戦隊の駆逐艦6、フリゲイト1という構成は如何にも強力だ。空母や揚陸艦を護衛するという、従来の任務に加えて、横須賀の駆逐艦にはミサイル・ディフェンスの任務が付加されていることが、その理由の大きな部分を占めるのではないか。

(RIMPEACE編集部)


横須賀配備時のマスティンにもDESRON23のエンブレムがあった。(06.7.8 撮影)


'2006-8-17|HOME|