空母帰港の半月後に、NLP通告


キティーホークの飛行甲板には、未だ工事用のテントが張られている。(06.10.4 撮影)

空母キティーホーク艦載機のNLP通告があった。10月9日〜13日に硫黄島で、低騒音機は12日〜13日に厚木基地で、そして硫黄島での訓練の代替として厚木、岩国、横田、三沢を12日〜13日に指定している。

内容はこれまでの通告と大差ないが、通告の時期がいかにも異様だ。

キティーホークは6月8日に横須賀を出港、複数の空母を動員する大きな演習を次々と行い、3ヵ月以上の航海の後9月15日に横須賀に帰港している。
これだけ長期の任務航海を行った後は、数ヵ月は横須賀で過ごし、各種の補修を行なうのがこれまでの例だ。キティーホークは現役米海軍艦船の最古参で、08年には退役が予定されている。そんな「老艦」に長期の演習から戻ってきてすぐに、艦載機を積んで出港させるのは、緊急事態に軍事的に対処することを目指していると見なければならない。

ボルトン米国連大使は、「北朝鮮が実際に核実験を実施した場合に『制裁と、それを超える措置に踏み切る』と明言した。...『それは必ずしも安保理によって制限されるものではない』とも述べ、単独行動を示唆した」(朝日 06.10.5)
「制裁を超える措置」が何を意味するのかは不明だ。いきなり核関連施設にトマホークや精密誘導爆弾をぶちこむとは思えないが、たとえば北朝鮮の海上封鎖を行うとすれば、空母が持つ攻撃力を背景にしなければならないだろう。こんなときのために横須賀に前進配備されているキティーホークが動くであろうことは、容易に想像がつく。

北朝鮮を追いこんでいくために、キティーホークを黄海もしくは日本海に派遣することは、これまでのアメリカのやり方を見ればいかにもとりそうな軍事的手段なのだ。

(RIMPEACE編集部)


「制裁を超える措置」のために空母が動くとき、第5空母戦闘群の構成候補艦がひしめく横須賀基地(06.10.4 撮影)


'2006-10-6|HOME|