横須賀基地浚渫、ガット船が視界から消えた 


8月24日の横須賀本港。画面左端の吾妻島近くの定位置にもガット船の姿はない

横須賀本港の浚渫作業では、浚渫した土砂をいったん土砂運搬船(バージ)に積み、それを港内に停泊するガット船まで運ぶ。 ガット船は土砂運搬船から積み替えた浚渫土砂を房総沖まで運んで海洋投棄する。
浚渫工事の施工計画書では、横須賀基地の海底の土砂は、そのようにして外洋に投棄されることになっている。

22日に横須賀基地を見たときに、ガット船がいないのに気づいた。この日だけではない。24日も同じで、目の届く範囲に ガット船の姿は無かった。
施工計画書の中に、ガット船運航標準サイクル表というのがある。それによれば、ガット船は3隻が交代で7時から18時まで 横須賀本港内で土砂を積んで房総沖に向かう。土砂運搬船から浚渫した土砂を積み替える場所は、吾妻島の近くだ。

22日も24日も浚渫船は作業をしていた。土砂をすくって土砂運搬船に落としていた。それなのに、ガット船が居ない。
ガット船が視界から消えた時期は、ガット船の周りの汚濁防止膜の設置がルーズになっていることを指摘した時期と重なる。 ガット船が交代するたびに、汚濁防止膜を施工計画書どおりに張りなおすのが手間隙かかるので、市民の監視の目を避けるために 積み替え場所を移動した、と勘ぐりたくもなる。

原子力空母の母港化のための今回の浚渫工事は、事前の計画書と実際の浚渫の進め方に乖離がありすぎる。その乖離は、一種の手抜き であり、環境汚染を引き起こす方向に向かっている。

(RIMPEACE編集部)(写真は 07.8.24 撮影)


作業中の浚渫船八宝耀。25立米クラスのバケットで浚渫する


八宝耀よりも湾口側で作業する浚渫船第18龍王丸。こちらは20立米クラスのバケットだ


'2007-8-25|HOME|