キティーホークの甲板にE2C



まだ空母に積まれたままのE2C早期警戒機(NF 604) (07.12.4 撮影)

横須賀基地に戻ってきたキティーホークの飛行甲板に、12月3日から艦載機E2Cが姿を現した。前回9月の帰港時には、ホーネット など4機を載せたまま横須賀基地に入港した。直後にファミリークルーズで空母が再出港する予定があり、戻ってきたときにはこの4機も 厚木に帰っていた。当面出港の予定がないはずの空母の艦上に、現役の機体が載っているのは奇異な印象を与える。

機体番号(16)5295は、米軍のE2Cの中でも新しいほうから数えて2割以内に入る機体であることを示している。プロペラも旧式の 4枚から8枚に換装されている。 数ヶ月動かないはずの空母に留め置かれて本国に帰り、スクラップにされるような機体ではない。空母の航行中におきた機体の故障修理が 、空母の入港前の厚木へのフライ・インに間に合わずに艦内に留められたものと思われる。

空母が在港中に、艦載機が空母を飛び立つのは無理な話だ。特に陸側に艦首を向けて停泊している場合は不可能だ。
当分空母が動かないとすると、このE2Cが厚木に戻るには特別の作業が必要だ。バージに乗せて対岸の陸自・木更津基地に運び、基地の 1850メートル滑走路を使って離陸して厚木に向かう、という手順を踏まなければならない。

2003年版防衛白書の「自衛隊の使用する飛行場」の中で、「自衛隊の飛行部隊が共同使用する米軍の施設・区域たる飛行場」として木更津 飛行場が岩国飛行場、三沢飛行場とともに記されている。
米軍の第一線の戦闘航空部隊が常駐する岩国・三沢と比べて、木更津基地は陸自部隊が駐屯し米軍の姿は普段は見えない。そんな木更津 基地を米軍が手放さないのは、滑走路と港湾を一体として使える基地だからだ。

固定翼機が離陸できる長さの滑走路と港湾施設を同じ敷地内に持つ基地は、思ったほど多くはない。最大規模なのは岩国基地だ。
そして、沖縄・辺野古に作られようとしている航空基地に、大きな岸壁が設置される計画があるのも、空海一体運用可能な基地が 柔軟な使い方ができるからだ。辺野古に計画されている基地は、単なる普天間代替以上の機能を持つ基地だ。

(RIMPEACE編集部)


'2007-12-5|HOME|