MD日米実働訓練の痕跡を追う


海自のイージス艦「こんごう」が7月14日、横須賀に来ていた


同日、巡洋艦シャイローも横須賀に戻ってきた(08.7.14 撮影)

2008.7.17付朝雲の1面に「上・下層同時のミサイル防衛  初の日米実働訓練 今月、日本の海・空域で」という記事が載っていた。
自衛隊は「こんごう」など、米側がシャイローなどを参加させて、1日だけの訓練だという。斎藤統幕長が10日に会見して未来形で 語っているから、訓練は11日以降ということだ。

シャイローは7月3日から7日まで佐世保に寄港していた。佐世保配備の「こんごう」と同じ基地にいた。7日に佐世保を出たシャイローが 横須賀に戻ったのは14日、このとき「こんごう」も横須賀に寄港、海自吉倉桟橋に停泊していた。この1週間、2隻が行動をともにして いた可能性が強い。
シャイローは16,17日と横須賀を留守にした。訓練がその期間であった可能性も捨てきれないが、14日より前に沖縄付近に出没 していた駆逐艦ディケイターの動きを考えると、1日だけの日米実働訓練は11日に行われた、と考えるのが妥当ではないか。

ディケイターは空母レーガンの随伴艦として日付変更線を超えた。しかし、フィリピンの台風被害に支援活動を行っていたレーガンとその 随伴艦と離れて、7月初めから沖縄近海にいたと見られる。ホワイトビーチに2〜3日、12日と2回寄港している。

ディケイターは弾道ミサイル防衛(BMD)の最新システムを搭載し迎撃ミサイル発射能力も備えている15隻のイージス艦のうちの1 隻だ。空母戦闘群と別行動したのは、このBMD日米実働訓練に参加もしくは支援したためだろう。

14日に空母レーガンと巡洋艦チャンセラーズビルが釜山に、駆逐艦ハワードとディケイターがチンヘに、フリゲイト艦サッチが下関に それぞれ寄港した。
ディケイターが空母戦闘群の一員としての動きを再開する前に、BMD訓練になんらかの形で参加したとすれば、BMD日米実働訓練 は11日に行われたことになる。

(RIMPEACE編集部)


9日ぶりに再びホワイトビーチに寄港した駆逐艦ディケイター(08.7.12 撮影) 


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