海の日米合同演習、推定参加艦


NAVY NewsStand(2008.11.19) に掲載された写真。合同演習参加艦によるフォーメーション
(艦種・艦番号はRIMPEACE編集部で推定して記入)

赤が海自艦船、白が米軍艦船。
海自艦船、DD:護衛艦(艦名不明)、LST4003:揚陸艦くにさき、SS600:潜水艦もちしお
DD101:むらさめ、DD104:きりさめ、 DD108:あけぼの、DD114:すずなみ、DD141:はるな、DD177:あたご
米軍艦船、SSGN726:原潜オハイオ、CVN73:空母ジョージ・ワシントン、LHD2:揚陸艦エセックス、LSD49:同ハーパーズフェリー
CG63:巡洋艦カウペンス、CG67:同シャイロー、DDG:駆逐艦。番号不明のどちらかがステゼムでもう一方がジョンSマケイン
DDG54:カーティスウィルバー、DDG89:マスティン、DDG77:オケーン、FFG57:フリゲイト艦ルーベン・ジェームズ

11月13日から19日まで東シナ海で行われた海の日米合同訓練で、最終日の19日に訓練参加艦が(全部ではないが)集合して艦隊航行 訓練を行った。上空を艦載機が編隊を組んで通過しているから、訓練と言うより「記念写真撮り」の意味が大きかったのかもしれない。

米海軍がリリースした写真から、どんな艦船が参加したのか、推定も交えて写真に当てはめてみた。
21日に空母と一緒に横須賀に戻ってきたのは巡洋艦2隻と駆逐艦4隻。そのほかにフリゲイト艦と駆逐艦各1隻がいるのは、このあたりで 訓練を行っているルーベン・ジェームズとオケーンだろう。佐世保の揚陸艦デンバーが見当たらないのは、艦隊航行の構成で海自の 「くにさき」に場所を譲ったためか。

この「くにさき」は海自では輸送艦と言っているが、実態は米軍の揚陸艦と変わらない。艦種記号はLSTで戦車揚陸艦と同じだ。空母と 強襲揚陸艦エセックスなどとともにこの船が行う訓練は、上陸演習に近いものではなかったのだろうか。
原子力空母の両脇に一方が強襲揚陸艦、もう一方が「輸送艦」ではサマにならないだろう。支援艦船が一切加わっていないこの艦隊の 大関の位置につくこと自体が「くにさき」などこのクラスの自衛艦の役割を明示している。

さらに注目すべきは、オハイオの参加だ。対地攻撃用トマホークを大量に装備しているこの原潜の役目は、戦争の初期段階でのピンポイント の破壊だ。
また、2つ背中に積んでいるドライデッキ・シェルターは、特殊部隊を偵察任務や破壊工作任務で海から敵地に送り込むための 装備だ。まさに攻撃任務一色の大型原潜だが、今回の合同演習の開始直前の12日に沖縄・ホワイトビーチから海自潜水艦隊司令(海将) が研修と称してこのオハイオに乗り組み、艦内で2泊して14日に同じくホワイトビーチで下船した。

他国への攻撃しか任務にない原潜に潜水艦隊司令が乗り組んで「研修」を行い、また海自の「輸送艦」、実は揚陸艦が米軍の揚陸艦隊に 同行する。「専守防衛」ではなく「他国を攻撃できる」自衛隊に、海自は舵を切ろうとしているのか。少なくとも近隣諸国からは、そう 見えることは間違いないだろう。

(RIMPEACE編集部)


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