横須賀基地上空飛行ルートが変わった


9月25日から、TAURAポイントが南に約4キロ移動したため、横須賀基地上空を通らなくなったルートの図

横須賀基地上空を通過していた民間定期旅客機の飛行ルートが基地上空を通らないように変更された。

これまで、木更津VOR/DMEと横須賀VOR/DMEを直線で結ぶルートは、横須賀基地12号バースの真上を通っていた。このルー トは、木更津と横須賀VOR/DMEの中間のTAURAポイントを9000フィート以上で通過するようになっていた。

航空路誌(AIP) によると、2008年9月25日以降の羽田空港出発ルートでは、通過点のTAURポイントが4キロメートルほど南に下げ られて、その結果、TAURAポイントと横須賀VOR/DMEをつなぐラインが、横須賀基地から外れた。

2008年9月25日は、横田空域が部分返還された日だ。それにともない羽田発の出発ルートなどが見直された結果、新ルートが設定さ れた。原子力空母の横須賀配備の日付と一致しているのは象徴的だが偶然と考えられる。

この変更は、原子力艦船(原潜、原子力空母)停泊中の横須賀基地上空を民間大型ジェット機が通過することの危険性を意識したものに他な らない。日本政府が、上記の危険性を間接的に認めたものだ。
 ただし、この措置で上空飛行に関する危険が無くなったとは言えない。下から見ていてもコース変更が明らかではないほど、変更後も民 間大型機は12号バースの近くを通る。

08年9月25日の変更では、TAURAポイントの位置がずれた他に、横須賀VOR/DMEを通過する高度が5000フィート高くなっている。
横田空域の一部返還については「羽田の西側には壁がある、と言われ、これを飛び越すために東京湾上で高度をかせぐような運用を強いら れてきたが、それを大きく改善した」という説明がなされてきたが、実際にはTAURAポイントから横須賀VOR/DMEに向かう際に、 これまで以上に高度を稼がなければならなくなった。「大きく改善された」という言葉とは逆のルート設定になっている。
バリアが低くなったから、横須賀VOR/DMEを通過する高度が低くなっていいはずなのに、逆に高くなって通過する航空機に負担をかけてい るのはなぜか? 米軍との横田空域削減交渉に裏取引があったのではないか疑いたくなるような設定だ。

(RIMPEACE編集部)


'2008-12-24|HOME|