横須賀原潜バースのコンテナ船
放射性廃棄物運搬船だった


赤いコンテナ船ノーブルスターと原子力空母ジョージ・ワシントン(09.3.27 撮影)
 

横須賀本港に貨物船が入ってくるのは稀なことだ。3月26日に13号バースに接岸したコンテナ船ノーブルスターは、原子力空母の 原子炉関係の修理の際に出た放射性廃棄物を運ぶために寄港したのだった。

『米海軍横須賀基地に昨年九月に配備された原子力空母ジョージ・ワシントン(GW)から出た低レベル放射性廃棄物約一トンが二十八日 、米海軍がチャーターした貨物船に積み込まれ、米国に向けて搬出されたことが三十一日、分かった。』
『米海軍側によると、搬送された廃棄物は、GWのメンテナンス中に出たもので、作業着やシートなど。専用の容器に密封され、人体や環 境に影響はないとしている。』(09.4.1 神奈川新聞)

『1月から米海軍横須賀基地(横須賀市)で始まったGWの工事には、ピュージェット・サウンド海軍造船所(ワシントン州)から来た 作業員約550人が担当。米海軍は当初、「作業員らは原子炉の作業のために派遣されたのではない」とだけ説明していた。』
『朝日新聞は2月、「海軍原子力推進機関プログラム」に質問状を出した。その回答によると、米国人作業員らの作業内容については 「(原子力推進機関の)1次系、2次系の両方のプラントに関連する部品やシステムに関するもの」とし、原子炉に付随する機関の補修 作業であることを明らかにした。』(09.3.31 朝日新聞)

13号バースに入ったノーブルスターは、出港日にいたるまで積荷はほとんど無く、28日昼の時点での同船の喫水は空荷状態とほとんど 変わらなかった。頑丈な上蓋がクレーンで開け閉めされるのが確認されただけだが、少量の特殊な荷物を積み込むのだろうという見当しか つかなかった。

今回の報道で明らかになったのは、原子力空母の修理中に出た放射能廃棄物で約1トンとのことだ。原子炉回りの修理をしなければ、 放射能汚染物が出てくるわけもない。
「1964年のエード・メモワールで表明された燃料交換及び修理に関する合衆国のコミットメントは、引き続き完全に堅持される。 燃料交換及び原子炉の修理は、外国では行われない。」(合衆国原子力軍艦の安全性に関するファクトシート、在日米大使館)

誰がウソをついて、だれがそのウソにホッカムリしたのか、はっきりさせねばならない。

(RIMPEACE編集部)


出港間近のノーブルスター。喫水に注意(09.3.28 非核市民宣言ヨコスカ 撮影)


横須賀入港直後のノーブルスター。空荷の状態だ(09.3.25 撮影)


2009-4-1|HOME|