修理切り上げ、GW横須賀出港



21日13時10分ころ横須賀基地12号バースを離れた空母ジョージ・ワシントン

3月21日午後1時過ぎ、空母ジョージ・ワシントン(GW)が横須賀基地を離れた。20日昼頃に出港する予定が直前になって延期され、 21日朝8時の予定がもう一度変更されていた。空母内部での出港準備に不足があったのではなく、出港をとめる外部要因があったと推定 される。

定期修理の途中だったGWは、「あらゆる作戦命令を遂行できるように、即応準備の度合いを上げ」た。つまり修理を打ち切って洋上に出 た。
GWの出港の目的については、色々な見方が出ている。本国に戻って修理を続けるためという見方もあるが、レディネスのレベルを上 げるために修理を切り上げた、という第7艦隊のメディア・リリースとは相容れないように思われる。
GWは修理を切り上げたばかりで、艦載機の搭載や随伴艦との機動訓練などもこれから、という段階だ。とりあえず修理後のチェックのた めの航海だとは思われるが、その出港が2回延期された理由はなんだったのだろうか。

福島第一原発の事故による放射能汚染を懸念して、自発的に本国に向かう軍属や軍人の家族を、国防総省が支援する態勢が始まっている。 現行の汚染状況に対して、本国に戻るための航空機の提供というかたちだが、星条旗新聞によれば、すでに8000人近い兵士の家族から の応募があったという。
8000人全部が本国に移動するには航空機の手配などで時間がかかるが、非戦闘員退避(NCE)は自発的という形ですでに始まっている。

避難のプラットフォームに空母が有効なことは、ベトナム戦争末期のサイゴン陥落のときにも示されている。 万一、原子炉格納容器が破壊されて高濃度の放射能が大気中に排出されたときに、一気に8000人を超える人間を避難させようとすれば 、空母に載せて移動する方法もあるだろう。
20日朝、3号機の格納容器の圧力が高くなったことと、20日昼のGWの出港が突然延期されたことに関係はないのだろうか。

(RIMPEACE編集部)(2011.3.21 非核市民宣言運動ヨコスカ 撮影)



ジョージ・ワシントンは、天候がやや回復した13時過ぎに、横須賀本港を出港した


2011-3-21|HOME|