ジョージ・ワシントン、横須賀帰港


横須賀本港に向けて航行するジョージ・ワシントン。手前は巡洋艦2隻、そして12号バース


横須賀本港中央部で向きを変えるGW。佐世保を14日に出たときよりも飛行甲板は整理されている

4月20日朝、浦賀水道に姿を見せた原子力空母ジョージ・ワシントン(GW)は、横須賀基地12号バースに10時半過ぎに接岸し た。

「GWの出港時と比べて日本の状況は改善された。フクシマ原発の状況は今、劇的に変わっている」(4.19 第7艦隊ニュ ース、GWは横須賀に戻りつつある)
3月21日のGWの横須賀出港が、福島第一原発の大事故による放射能汚染に対応するものだったことはもはや明らかだ。

横須賀在港の原子力艦船の中で放射能汚染が探知されたときは、その汚染が原子力艦船によるものでない、と証明されるまで、艦内から の退避が必要になってくる。
原子力艦の乗員や修理の作業員を放射能汚染から守るルールが、放射能汚染下での原子力空母の修理を事実上、出来なくしたのだ。
GWが横須賀を離れていた間、原子力潜水艦もまた横須賀に寄港していない。

「GWは、横須賀を離れている期間中に2回、佐世保に寄港した。この期間中、米海軍はGWを横須賀に戻す強い望みと意志を持ち続 けた」(4.19付、同ニュース)
その割りには、横須賀への戻りはそれほど早くはなかった。
横須賀市に「空母ジョージ・ワシントンが近日中に帰港する」という連絡があったのが4月15日。この日ジョージ・ワシントン(GW) は、米海軍のページ "Status of the NAVY" によればフィリピン海、つまり琉球弧の東側にいた。
艦載機を厚木に飛ばす必要のない現在のGWが、沖縄の東海域から「強い望みと意志」を持って横須賀に戻るのなら、2日も見ておけ ば十分だったのではないか。

メンテナンスの途中に横須賀を出て行った空母が、横須賀に戻ってきて修理を継続して行うのならば、なぜさっさと 戻ってこないのだろう、というのが素朴な疑問だ。
一ヶ月前と比べて放射能汚染の可能性が劇的に減った、という言葉とは別に、横須賀に戻って本当に大丈夫か、という検討に時間を 取られていたのかもしれない。

(RIMPEACE編集部)(2011.4.20 撮影)

 
4月20日11時の横須賀本港の停泊状況。青が海自艦船、赤が米軍艦船。
青字の1:しらせ、2:おうみ、3:しもきた、4:はるさめ、5:わかさ、6:すま
赤字の1:ステゼム、2:カーティス・ウィルバー、3:ジョンSマケイン、4:シャイロー
5:カウペンス、6:フィッツジェラルド、7:ブルーリッジ、8:ジョージ・ワシントン


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