新型タグの横須賀での初仕事


航行するジョージ・ワシントンと併走する新型タグYT805


一足先に戻り12号バースに向かうYT805セミノール

4月20日に浦賀水道を北上する空母ジョージ・ワシントンには、並走する小型船がいた。白い航跡を曳いているのは、まだ横須賀に来て 間もない新型タグYT805だった。小回りが得意な新型タグボートが、慣熟訓練以外の動きをするのをはじめて見た。

ひょっとして初陣は空母の牽引か、とも思ったが、実際に空母を12号バースまで運んだのは、チャーターされた民間のタグボート2隻 だった。
YT805は空母の本港到着前に抜け出して、一端12号バースに向かい、その後また本港中央部で待機する2隻の民間タグの近くに寄 ってきた。空母とロープでつながって接岸作業を始めた2隻の民間タグの横で、YT805はただその技術を実地に見ているだけ、という 位置取りだった。
グレーの米軍のタグボートも1隻出ていたが、主に空母の艦首近くで全体の動きを統括するようなかたちだった。

結局、押したり曳いたりするのは民間タグ2隻で全部行った。新型タグが慣熟訓練を終えたら、空母の出し入れにも係るのだろうが、 当面は民間タグにまかせっきりのようだ。
空母の原子炉で事故が起きたときに、最終的には陸上の原子炉と異なり海上を移動させられるから安全性は高い、と原子力空母の配備前に 日米両政府は説明していた。この事故時の移動に使うタグは、民間タグを想定しているのだろうか。

(RIMPEACE編集部)(2011.4.20 撮影)

 
横からGWの接岸作業を見るだけの新型タグ・セミノール


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