放射性廃棄物輸送船、横須賀に入港


12号バースに近づく貨物船コースタル・ベンチャー。右はGWの前部


横須賀本港入り口に向かうコースタル・ベンチャー。小さく見えるのは後ろに巨大船がいるためだけではない。
(2011.6.4 撮影)

6月4日14時半、中型の貨物船コースタル・ベンチャーが2隻の民間タグに押されて横須賀基地13号バースに入った。
横須賀市の報道発表資料によれば、米軍から8日に放射性廃棄物の空母からの移し替えを行うという情報提供があったこと、放射性廃棄物 を扱う13号バースに入ったことなどを考えると、このコースタル・ベンチャーがGWの定期修理で出た放射性廃棄物を本国に運ぶ船と 考えて間違いない。

積載量1500トンに満たないこの貨物船が横須賀本港の港口に姿を見せたとき、小さいというのが第一印象だった。これまでの2回の 廃棄物搬出にチャーターされた貨物船が、13号バースからはみ出して停泊していたのに、今回は入船で接岸して余裕でバースに収まって いる。

今回の廃棄物輸送のチャーター契約は、4月21日にビジネス参入の機会均等をめざすFBOに公告され、25日に横須賀到着日が5月 24日から25日までに修正されたあと、4月27日にサウス・カロライナ州の STEVENS TOWING 社が150万ドル余で落札した。
この STEVENS TOWING 社が自社運用する貨物船がコースタル・ベンチャーだ。
横須賀到着は6月4日、契約条件でもっとも重視すべき条件の一つである配船スケジュールが、落札後に変更されている。このスケジュ ールなら参入できたかもしれない会社があったのではないか。

このコースタル・ベンチャーは、契約が成立した4月27日にはサウス・カロライナ州チャールトンの沖合いにいた。その後パナマ運河を 通り、サンディエゴに寄ったあと横須賀に6月4日に到着した。サンディエゴに寄らなくとも、落札した契約どおりに横須賀に配船する ことはムリだった船だ。
機会均等といってもずいぶん裏道・逃げ道があるんだなあ...。

GWは5日朝、定期検査終了後の試験航海に出る予定だ。8日に艦内に蓄えてある放射性廃棄物をコースタル・ベンチャーに移すためには、 、前日までに12号バースに戻っている必要がある。試験航海の日数は非常に限られたものになる。

(RIMPEACE編集部)


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