横須賀から三沢へ、クエゼリンへ、タンカー動く


八戸から戻ったトランス・パシフィック、再び燃料積み込みに吾妻島桟橋へ(2011.10.3 撮影)

しばらく姿を見せなかった中型タンカー、トランス・パシフィックが9月25日に横須賀港外錨地に現れた。
翌26日に吾妻島の燃料桟橋に接岸した同艦は、燃料を積み込み27日に八戸港に向けて出港した。

横須賀基地吾妻島燃料貯蔵施設は、東日本の米軍基地に供給する燃料輸送のハブ基地になっている。
吾妻島のタンクに保管された燃料は、横須賀の艦船に補給するほか、青森県の三沢基地、東京都の横田基地、神奈川県厚木基地に も送られる。

八戸港の米軍燃料施設の桟橋に9月28日から4日間停泊したトランス・パシフィックは、10月1日に出港、横須賀港外の錨地に 2日に到着した。翌3日昼には再び吾妻島の燃料桟橋に接岸し、24時間足らずで岸壁を離れて再び横須賀港外で錨泊した。 鶴見の貯油施設に横須賀から燃料を運ぶ小型タンカーが、岸壁を使用するので錨地に移ったとみられる。
なお、鶴見貯油施設からJRのタンクローリーで運ばれる燃料の行き先は横田基地だ。

トランス・パシフィックは5日午後に錨地を出た。行き先はクエゼリン環礁となっている。ハワイの西南西2500マイルの環礁には 米陸軍の施設ロナル・レーガン・テスト・サイトの中枢部がある。

アメリカの戦略防衛構想に絡み、カリフォルニアの空軍基地からこのクワジェリン環礁を目掛けて、弾道ミサイルを発射し、迎撃をする 実験場に使用されている。この影響で、クワジェリン島には3,000人のアメリカ軍関係者および家族が居住しており、一般人の訪問は許可 されていない。(国際機関太平洋諸島センター 観光情報より)

横須賀からトランス・パシフィックがクエゼリンに向かうのは初めてではない。昨年5月末にも同艦が燃料を輸送している。
ハワイからではなく、横須賀からわざわざ燃料を運ぶ理由は不明だが、こんなところでもMD実験の支援に横須賀基地が係っている。

(RIMPEACE編集部)


横須賀港外で自艦の燃料を補給するトランス・パシフィック。翌日、吾妻島桟橋に接岸(9.25 撮影)


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