3万トンタンカー、横須賀吾妻島にナゾの寄港
横須賀基地・吾妻島燃料埠頭に接岸直後のタンカー、パシフィック・レインボー
パシフィック・レインボーの船首に注目。ほとんど空荷で入港した(2011.11.09 撮影)
3万トンクラスのタンカー、パシフィック・レインボーが11月9日に横須賀基地・吾妻島燃料埠頭に接岸した。船体が浮いて空荷に近い
状態で接岸した。
埠頭に接する海底の浚渫工事が行われたのは、今年の6月から7月にかけてだった。
浚渫終了後、3万トンクラスの大型タンカーがこの燃料埠頭に接岸するのは、7月末のオリエンタル・ダイアモンドについで
パシフィック・レインボーが2隻目だ。
横須賀基地は東日本の米軍基地のへの燃料輸送のハブとなっている。このクラスのタンカーがウルサンから燃料を運んでくることは珍しい
話ではないが、空に近い大型タンカーが接岸するのは稀だ。
翌日浦賀水道を南下したパシフィック・レインボーの船体が沈んでいるようには、ライブカメラの映像からは見えない。要するに
横須賀基地では、目だった燃料の積み込み積み下ろしを行わなかったと見られる。では、どこに行ったのだろうか?
パシフィック・レインボーは野島崎を10日16時前に通過して東北沿岸に向かった。再び野島崎沖に現れたのは67時間後の13日11
時ころだった。
どこかの港で、横須賀滞在と同じくらいの時間を過ごしたとすると、往復の時間は約40時間、この船の平均13ノットの速度を考えると
野島崎から片道260海里、約470キロの航海だったことになる。
この距離では、福島第一原発の近くを通る最短航路でも八戸には届かない。せいぜいが仙台どまりだ。
3万トンクラスのタンカーが横須賀で何を受け渡しして、どんな任務で宮城沖まで行き、またもどってきたのだろうか。
少なくとも通常の燃料輸送ではないこととだけは確かだろう。
パシフィック・レインボーは13日に東京湾に戻り、市原のコンビナートの近くに停泊した。15日午後には動き出してオーストラリアに
向かった。
(RIMPEACE編集部)
1泊で横須賀基地を出たパシフィック・レインボー。喫水は入港時とほとんど変わっていない。
(2011.11.10 東京湾ライブカメラの映像より)
3日後に東京湾に戻って来たパシフィック・レインボー。市原のコンビナートの港湾施設に向かった
(2011.11.13 横浜港ライブカメラの映像より)
2011-11-17|HOME|