事故ヘリ部品捜索と原因究明


事故機(MH−60S)は後部ローターの駆動力が消失したためオートローテーションを行った、
という簡単な説明がなされている。米海軍安全センターの、クラスAの事故の一覧より。

昨年12月16日の米軍ヘリMH60Sの墜落事故の原因調査の中で、米海軍は3か月以上たった3月21日から事故機の後部ローター探しに取り掛かった。海中に沈んだとみられる後部ローター を探すために救難艦セーフガードが3月17日に横須賀基地に入港し21日に出港、相模湾に向かった。

セーフガードがせっせと捜索している場所を見れば、事故機がオートローテーションに切り替えて三崎港近くの空き地に向かった航跡が推定できる。後部ローターは飛行中に落下し、その近傍を セーフガードが捜索しているからだ。

推定される飛行コースは、城ケ島の真西約5キロからオートローテーションで三崎港近くに降りるものだ。どこかで後部ローターが吹っ飛んでもオートローテーションで着陸(とは言えないほどの ハードランディング)出来たのは、メインローターで生じるトルクを打ち消すだけの補助翼などの動きが確保されていたからだろう。そこが沖国大に墜落したCH53Dと異なるところだ。
CH53Dは後部ローターが外れかけた時に胴体後部を切断、オートローテーション時に姿勢を制御できないまま「空力的に飛行しているとは言えない状態」(事故報告書、兵士目撃証言)にな った。

今回の三崎での事故も、後部ローターがなくなったことが主因なのだろうが、ローターが外れるときに機体を損傷させれば、沖国大の墜落と同様のことが起きたかもしれない。
後部ローターが外れた原因はそれを回収しなければ確定できないだろう。事故から3か月以上経ったが、原因が特定できないままMH60へりが飛び回っているのが現況だ。安全性を優先すれば、 原因究明まで飛行を停止することが最低限必要なはずだ。

(RIMPEACE編集部)



事故機のテールローターは、消失している(2013.12.19 撮影)


2014-3-25|HOME|