まだ横須賀基地にいる原潜テキサス


横須賀基地13号バースに接岸して24日目の原潜テキサス(SSN 775)(2016.2.28 撮影)

バージニア級原潜テキサスが未だ13号バースに停泊中だ。2月5日に入港したから24日目となる。

入港時に示したように、昨年12月22日〜30日まで横須賀、1月20日〜23日まで佐世保、そしてまた横須賀寄港だ。12月下旬からでは海にいる日数より港に入っている日数の方が多くなっている。きわめて珍しい状態だ。

2月12日、原潜テキサスは出港準備をしていた。13:14にブリッジがクレーンで外された。その1時間後に、13号バースを囲んでいるバリケードが開き始めた。
14:26には全開になっていたバリケードは、15:14に再び閉じられた。約40分の間に原潜の出港を取りやめる原因が原潜に生じた。

バースから動いていないから、操縦系の故障が見つかったわけではない。また、スクリューを回すのは横須賀本港の中央部まで引き出されてからだから、駆動系に問題が生じていたわけでもない。

もっとも考えられるのは、動力源、つまり蒸気の温度・圧力などが予定値に達しなかったことだ。つまり、原子炉自体が不調である可能性が強い。

ちょっと航海に出てはすぐに港に入ることを繰り返していたことも、その可能性が強いことを示す。

(原子炉も含まれる)動力装置の修理は日本の港では行わない、と日米の外交文書エード・メモワールに明記されている。
テキサスの原子炉が不調だった場合、無理に出港してまたすぐに戻ってくるのか、それとも潜水艦母艦をグアムに待たせておいてノロノロと浮上航行で辿りつくのか? テキサスに残された手段は限られてくる。

(RIMPEACE編集部)

2月12日、準備はしたが出港出来なかった原潜テキサス


2月12日、入港一週間後に出港準備中のテキサス。メインのブリッジがクレーンで吊り上げられている(13:14)


13号バースを港の中央と隔てるバリケードが開かれている(14:26)


開いていたバリケードが再び閉じられた(15:08)


2016-2-28|HOME|