衝突した駆逐艦の「傷跡」は語る


衝突後に12号バースに戻った駆逐艦フィッツジェラルド(奥)。傷跡の向って左側がシャープに折れている。(2017.6.23 撮影)


フィッツジェラルドが出港する日の午前に、上掲写真とほぼ同じ位置から撮ったもの。(2017.6.16 10時ころ)

衝突事故を起こした米駆逐艦フィッツジェラルドは、入り船で12号バースに停泊している。市内の高台から、衝突の「傷跡」がはっきりと見える。

傷跡を見れば、どんな角度で2隻が衝突したのかがわかる。同じ位置から撮った衝突前と衝突後の写真を比べれば、衝突時の2隻の進行方向が直交に近いものだったことがわかる。
大きな陥没跡のすぐ左横の部分が無傷で残っている。少なくとも、平行に近い状態で走っていたのではないことは確かだ。

そして、かなりの角度で交差する(衝突する)コースをたどっていた2隻のうち、左側にいた(相手を右に見ていた)のがフィッツジェラルドだったことは言うまでもない。
衝突までの状況に不明な点は多いし、今後の調査の中で明らかになることもあるだろう。ただ、基本的にはフィッツジェラルドのほうに回避義務があったことは、フィッツの右舷に 深い角度でめり込んだ衝突の跡が物語っている。

(RIMPEACE編集部 頼 和太郎、写真も)


上掲写真より30度ほど船首側に寄った角度から撮影。食い込んだ跡がはっきりわかる(2017.6.23 撮影)


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