17.6.25 ヨコスカ平和船団同乗記 その2

フィッツジェラルドはトマホークを積んで任務に出ていた


6月25日、浦郷弾薬庫へ弾薬搬入。衝突事故を起こした駆逐艦から取り出されたもの


上掲写真を拡大したもの。キャニスターに "ROCKETS, LIQUID FUELED"と書かれている。

6月25日(日)に、ヨコスカ平和船団のボートから見た浦郷弾薬庫への弾薬の陸揚げ。ミサイル格納・発射器であるキャニスターの側面に、"ROCKETS, LIQUID FUELED" と書かれていた。液体燃料のロケットが中に入っていることを示している。

米軍の駆逐艦や巡洋艦が装備しているVLS(垂直発射装置)に装填するこれらのキャニスターには、スタンダードミサイル、スパロー、アスロック、トマホークが装填できる。このうち 対空ミサイルやアスロックは固体燃料で、液体燃料を使うのはターボファンエンジンで飛行するトマホークだけだ。

オレンジ色の爆発物輸送ラベルも貼ってあった。 "EXPLOSIVE 1.1J" と表示されている。米国交通省の分類では、"1.1J" は3つあってそのうちの UN0397 というIDは "ROCKETS,liquid fueled,with bursting charge" つまり液体燃料を含むロケット(ミサイル)で爆薬を積んでいるもの、という分類だ。ちなみにあとの2つは爆弾(UN0399)と魚雷 (UN0449)だ。
この 1.1J の表示によれば、このキャニスターの中身はトマホークの実弾ということになる。

フィッツジェラルドは6月16日の午後に横須賀を出港した。そして17日に日付が変わったすぐ後でコンテナ船と衝突した。今、フィッツジェラルドからおろされている弾薬は、すべて 横須賀を出るときに積んでいたものだ。もちろん、対地攻撃兵器であるトマホークも、16日に積んで出た。

今回のフィッツジェラルドの任務に対地攻撃が含まれる可能性があったから、トマホークを積んでいった。今、トマホークによる対地攻撃の対象となりうるのは、先日まで米軍が空母2隻 を集めておどしていた北朝鮮の他には考えられない。
在日米軍基地から米軍が出撃して攻撃態勢を組むという恐ろしいことが、私たちが知らない間に行われていた。そして、今回衝突事故でたまたま明らかになったトマホークの搭載は、 フィッツジェラルドの事故の後に横須賀を出港した駆逐艦ステゼムに引き継がれている可能性が高い。

(RIMPEACE編集部 頼 和太郎)(2017.6.25 頼 撮影)


ヨコスカ平和船団乗船希望者は、ようこそ!ヨコスカ平和船団へにアクセスして、申し込んで下さい。 毎月最後の日曜日に平和船団の船が軍港を走ります。


2017-6-27|HOME|