ケアレス事故が相次ぎ動きを止めた横須賀基地
飛行甲板はほとんど何もなくなったが、出航に向けた動きが見えない空母ロナルド・レーガン
第7艦隊司令官の解任に至る事故の連鎖のはじめの2隻、アンティータムとフィッツジェラルドがドライドックで隣り合っている
民間大型船との衝突事故が相次いで、海軍艦船の運用が1〜2日停止された。第7艦隊所属の駆逐艦2隻が短期間で続けて事故を起こしたので、第7艦隊に対して徹底検証が米海軍トッ
プから命じられた。
フィッツジェラルド艦長などの解任が発表されたのは8月17日。その3日前の14日に横須賀配備の駆逐艦ベンフォルドとマスティンが出港した。ドライドックなどに入り修理
中の艦船を除くと、数少ない稼働可能な艦のうちの2隻だった。
14日には沿岸警備隊のカッター、マンローも出港した。
この後、24日にいたるまで、米軍艦船の出入りは全くない。あったのは朝鮮戦争の国連軍の資格で横須賀に寄港していた、フランス海軍指揮艦デュプイ・デ・ロムの入出港だけだ。、
フランス海軍の船には、当然ながら米海軍艦船の運用停止の網はかからない。この白い船だけが出入りすることで、米軍艦船の動きのなさが浮き彫りにされている。
23日に高台から横須賀基地を見た限りでは、アームを上げているクレーンはすべて、修理中の艦船の周りにいるもので、空母の出航が近いはずなのに、動ける巡洋艦や駆逐艦への
物資の積み込みなどは見られなかった。
(RIMPEACE編集部 頼 和太郎)
ベンフォルド(右)、マスティン(中)。フィッツジェラルドの事故で艦長解任の処分が出る3日前に、横須賀基地を出て行った駆逐艦2隻。
8月15日以降唯一横須賀基地を出入りしていたフランス海軍指揮艦デュプイ・デ・ロム。国連軍の資格で寄港していた(17.8.11 頼 撮影)
2017-8-24|HOME|