海自潜水艦、魚雷実弾6発を横須賀で積み込み・積み下ろし



2月19日、吉倉桟橋に並んだ6発の魚雷が、そうりゅう型潜水艦に積み込まれた。

2月9日の平昌オリンピック開会式後の日韓首脳会談で「米韓合同軍事演習の再開を」と言い出し、文在寅大統領から「韓国の主権の問題だ」と言い返されてしまった安倍首相。

オリンピックの後半、スキージャンプが行われていた2月19日、横須賀基地ではそうりゅう型潜水艦に6発の魚雷を積み込む作業が行われていた。滅多に見ない光景である。

「1.本年2月24日(土)深夜、海上自衛隊第1航空群所属「P−3C」(鹿屋)が、北朝鮮船籍タンカー「Chon Ma San号」とモルディブ船籍タンカー「Xin Yuan 18号」とが、東シナ海 の公海上(上海の東約250qの沖合)で横付けしていることを確認しました。
2.政府として総合的に判断した結果、両船舶については、国連安保理決議で禁止されている瀬取りを実施していたことが強く疑われるとの認識に至りました。」
と防衛省が発表したのはオリンピック後の2月27日。

韓国の特使が北朝鮮を訪問し、金正恩委員長と会談したのは3月6日。ここから朝鮮半島情勢は大きく変化し、南北首脳会談、米朝首脳会談に向けた準備が始まった。「圧力」「圧力」と 言い続けてきた安倍政権もこうした動きに合わせざるを得なくなり、日朝首脳会談を模索するにことになった。

3月12日、横須賀では魚雷の積み降ろし作業が行われた。この動きは何を示すのか。単なる訓練としてはあまりにも不自然。断定は出来ないが、北朝鮮の潜水艦を警戒して、魚雷を搭載し て出動するつもりだったのではないか。
2016年8月の潜水艦からの弾道ミサイル発射実験以来、海自の潜水艦部隊の動きは活発になっている。

水上戦闘艦も舞鶴基地所属の「ふゆづき」が、アメリカ海軍がグアム周辺海域で行った「マルチセイル2018」(3月8日〜14日)に参加するため3月初旬、横須賀を経由して出港。
3月14日、15日とイージス艦「きりしま」がミサイルを積み込んでいた。これも新たな訓練への準備であろう。

安倍政権は圧力路線を決して放棄していない。今後の朝鮮半島の動きに注目していきたい。

(ファイト!神奈川 木元 茂夫)(頼 撮影)


3月12日、そうりゅう型潜水艦からおろされた魚雷が、弾薬輸送艇の中に収まった。


2018-3-17|HOME|