一日遅れで空母レーガン、横須賀出港


5月29日10時に横須賀基地12号バースを離れて港の中央に出てきた原子力空母ロナルド・レーガン


動き出した空母の飛行甲板には、艦載ヘリが5機、艦橋近くに集められていた

5月29日午前、原子力空母ロナルド・レーガンが横須賀基地を出港した。
昨28日の同時刻に出る予定だったが、空母の何らかのトラブルが解決できずに28日中の出港を取りやめていた。

10時に出港した空母は浦賀水道から太平洋に出る航路をゆっくり進んでいった。岩国に配備変えになったスーパーホーネットなどの艦載機の着艦資格取得訓練(CQ)を行うために、 九州西方の水域に向かうとみられている。

艦載機が全部厚木にいた時は、空母の出航の日に厚木から飛び立った艦載機が大島沖の訓練海空域でCQを行い、艦載ヘリも同時に飛んで空母に向かっていた。今回、固定翼艦載機が 岩国から空母に向かうことになったが、厚木に残った艦載ヘリは、空母が横須賀を出る前に空母に載る手順になった。

その艦載ヘリを5機、飛行甲板の艦橋近くに集めたまま、空母は出航していった。ヘリの訓練は九州西方の訓練空域に着くまでに行われるのだろう。

原子力艦の横須賀入出港時には、放射線をモニターする海保の船が原子力艦を追走して、放射能漏れの有無をチェックしている。ところが今回、空母が横須賀本港を出るまで海保の船 は空母を追走していなかった。
空母が本港内にいるときに、海保の船は「はかぜ」(CL37)だけしか確認できなかった。その「はかぜ」も空母を追走せず、米軍の埠頭に近い側にいた。「はかぜ」が仮にバース に近い位置の海水を採取していたとしても、空母が本港内を移動するときの航跡に沿った海水のサンプリングはしないのだろうか?
空母が右に旋回して浦賀水道入口に船首を向けた後で、長浦港から海保の白い船がでてきて空母の追走を始めた。「はたぐも」(PC32)だった。この船は本港から出て浦賀水道に 向かう空母を追走する位置にいたが、本港内では追跡していない。
原子力艦の出港時の放射能漏れチェック態勢はどうなっているのだろうか?

(RIMPEACE編集部 頼 和太郎)(18.5.29 頼 撮影)


横須賀本港中央部を抜け、横須賀航路に入るために進路を右に振るレーガン


浦賀水道を南下する空母。手前は横須賀市役所など市の中心部


2018-5-29|HOME|