放射性廃棄物、原子力空母の艦内から輸送船に移される
空母のエレベーター上に艦内から引き出された放射性廃棄物入りのコンテナ
12号バースのレール上を動く大型クレーンで吊り上げられた廃棄物入りのコンテナ
お化け屋敷のおばけのように、クレーンのワイヤでつるされて「宇宙遊泳」するコンテナ
13号バースに停泊中の廃棄物運搬船の船腹に降りていく放射性廃棄物入りにコンテナ
5月2日朝9時前に、原子力空母の修理にともない排出される放射性廃棄物などを詰めたコンテナの移動が始まった。
ヨコヅナと名付けられた12号バースの大型クレーンが、空母のエレベータまで引き出されたコンテナを吊り上げて、隣の13号バースに入港している貨物船コースタル・ベンチャーの船腹に下した。
隣のバースの船までコンテナを運ぶのにトラックを使わないのには深いわけがある。
原子力潜水艦の日本の港への寄港が始まる前に、米国は「エード・メモワール」で放射性廃棄物は艦外に出さない、と約束した。ところが、海外母港化された原子力空母の定期修理の中で放射性
廃棄物が出てくると、日本政府は「艦外に出さない」とは「陸揚げしない」ということだ、と屁理屈をこねた。さらに「空中を移動すれば,陸揚げにはならない」という屁理屈の上塗りをしたも
のだ。
それでわざわざクレーンでつり下げて運ぶやり方を始めた。接地しなければ陸揚げではない、とでも言いたげだが、それは「お化け屋敷の出し物の中で、本当にお化けが(物理法則を無視して)
飛び回っている」というのに等しい。暗がりの中で「飛んでいるように見える」のと「飛んでいる」とは全く違うことは子供でも分かる。
接地したクレーンを使って空中を移動するから揚陸はしていない、というのなら、地面に荷物を引きずらない限り、地面から話して持ち歩けば陸揚げにならない、ということになる。密輸の
解釈にまで影響するおおごとになってくる。
そんな屁理屈を重ねて、今年も放射性廃棄物が横須賀のふ頭から米国の船に載せられて運び出された。
貨物船コースタル・ベンチャーは、廃棄物を積んだ日の午後に横須賀を出港して、次の集荷場所のグアムに向かった。最終的に、米西海岸のピュージェット・サウンドに運ぶ、とされている。
(RIMPEACE編集部 頼 和太郎)(19.5.2 頼 撮影)
放射性廃棄物の搬出に、しつこく抗議の声をあげるヨコスカ平和船団
2019-5-2|HOME|